研究概要 |
1.自己組織化マップ(SOM)と決定木によるハイブリッド・アルゴリズムを提案し、データベース管理システムに統合することにより、実際に、新しい知識を発見した。医学領域の(a)時系列データである蛋白電気泳動波形データ(25,000件)と(b)血液生化学分野の数値データを対象に、データ(a)をSOMによりクラスタリングし、そのクラスの集合に、データ(b)の情報を付加して決定木を作成する。生成された決定木を関係データベースにマッピイングすることにより、診断ルールや診断基準の探索をインタラクティブに行なうことを可能にした。 2.波形の時系列データからの特徴抽出のためのDynamic Time Warpingアプローチを提案した。波形データのクラスタリングにSOMを用い、その演算における距離関数に従来用いられているユークリッド距離以外に動的計画法による距離を導入し、計算時間を短縮し、他の距離関数よりも精度の高い分類結果を得た。 3.SOM-クラスタリングと時間依存相関ルールを組み合わせたハイブリッド・アルゴリズムを気象の衛星画像に適用した。抽出された特徴をRDBのR-treeインデックスとすることによって、"台風通過の直後に前線が来るような気象変化はあるか"など,時間軸を入れたSQLクエリが可能なシステムとして実現できる。 4.時空間データからの知識発見として、データ中に含まれる特徴あるオブジェクトの抽出法について、正規確率密度分布の混合分布によるモデル化とEMアルゴリズムによる解法を示した。モデル画像を用いて、含まれるオブジェクトの数が未知でも、ベイズの情報量基準に基づいて客観的に最適成分数を求めることによって有効な結果を得た。これらの結果に基づき、時系列気象画像に対して、オブジェクトの抽出を実行し、その有用性を示した。さらに、最小外接矩形を使用したオブジェクト追跡アルゴリズムを示した。
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