研究課題/領域番号 |
13480111
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松島 克守 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011204)
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研究分担者 |
後藤 正幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40287967)
藤末 健三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10313040)
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キーワード | 製造業 / ビジネスモデル / ビジネスプロセスモデリング / 企業経営 / 業務管理モデル / グローバル製造業 / コストモデル / コストシミュレータ |
研究概要 |
13年度の研究実施計画は「(1)企業の現状を企業活動の解剖学的フィールド分析、すなわち企業の協力を得て現状の業務プロセスをIDEF等の情報モデル手法で情報収集する。(2)モデル化手法の開発を行う。(3)本来見えない企業活動を仮想空間で表示するために、ビジネスモデルの表示用モデルの開発を行う」であった。 (1)については、典型的な加工・組立メーカによる全面的な強力、情報提供により、大規模なIDEFモデルを作成、業務プロセスに関する分析を行った。また過去10年間について、ビジネス環境データや経営状態を表す実績データの徹底的な分析を行っている。 (1)における解剖学的なフィールド分析の結果に基づき、(2)のモデル化手法開発の第1ステップとして、13年度は企業経営のモデルを「コスト的視点」と「ダイナミックモデル的視点」の二方向からモデル化し、コンピュータ上で動作するシミュレータの実装までを行った。実際には、まず多国間にまたがって製造販売活動を行うグローバル製造業のコスト構造をモデル化し、生産拠点や物流経路などの意思決定シナリオ、販売数や為替レートなどの外的要因パラメータを入力とし、コストを様々な切り口から分析、グラフィカルに表示するコストシミュレータを試作した。この結果については、ビジネスモデル学会年次大会にて報告している。一方で、製造業の工場モデルとして、ダイナミックモデルに基づいたシミュレータの試作も行った。ここでは製造プロセスのボトルネックを効率的に発見するための、シミュレータをシステムダイナミクスの手法を用いて記述し、コンピュータ上でシミュレートできるよう実装している。 (3)については、本来見えない企業活動を可視化するための「社長の操縦席」をIT技術を用いて試作しており、今後もさらに改良を継続する予定である。 以上より、13年度の研究は概ね計画どおり遂行され、今後順次に研究成果の発表を行う予定である。
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