研究分担者 |
西條 辰義 大阪大学, 経済学部, 教授 (20205628)
上田 完次 神戸大学, 工学部, 教授 (50031133)
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90022277)
岩崎 敦 神戸大学, 自然科学研究科, 日本学術振興会特別研究員
三好 博之 京都産業大学, 理学部, 助教授 (60286135)
|
研究概要 |
本年度はリサイクル市場の基本モデルを構築し,その性質や特徴を明らかにすることを試みた.具体的には, 1、企業が廃棄物を自ら回収する市場(家電リサィクル法) 2.企業が自ら回収を行なわない市場 の理論モデルを構築した.企業に廃棄物回収市場における仲介者の役割を与えるととで、回収を促進し利益を増加させる可能性があることを理論的に示唆した.この成果はEcoDesign2001で発表し,国際シュンペータ学会でさらに進めた解析を発表する. さらに、次の3つの計算機実験/被験者実験を設計,実施した. ・Gehrigモデルの計算機実験(小田,八杉,三好) Gehrigの仲介、分権市場モデルに基づく計算機実験を行なった.これは上記のモデルを,複雑化・一般化するための基礎的実験である. チープトークゲームの計算機実験(上田,岩崎) コミュニケーションは経済主体の意思決定に影響を与える.そこで,意志決定の理解を深めるために、チープトークゲームを計算機上に表現し,被肇者実験の結果と比較した.結果から,計算機上のエージェントの初期の行動選択確率(その行動に対する偏見)が,被験者の行動を記述するのに重要な要素であることを示唆した. 排出権取引実験(西條) 異なる責任制度を比較した排出権取引実験において,1)競争均衡価格周辺で売買,2)高めの価格から最後に暴落、3)低めの価格から最後に高騰、4)多くの国が計画倒産,という4種類の価格変動パターンが観察された. これらの成果については来年度に学会報告等を行なう予定である. 2002年1月26〜30日に,八杉が代表の科学研究費補助金(限定合理性の情報構造:証明論およびセラ・オートマタに主る特徴づけ)と共催でワークショップ「実験経済学と知識の構造」を開催した.
|