研究課題/領域番号 |
13480115
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
小田 秀典 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
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研究分担者 |
飯田 善郎 京都産業大学, 経済学部, 助教授 (50273727)
上田 完次 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (50031133)
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90022277)
秋山 英三 筑波大学, 社会工学系, 講師 (40317300)
三好 博之 京都産業大学, 理学部, 助教授 (60286135)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | マーケット・マイクロストラクチャー理論 / 実験経済学 / 計算機経済学 / 社会工学 / リサイクル / ライフサイクル・マネジメント / リサイクル法 / 生産システム |
研究概要 |
本研究は、新しい経済学の理論と方法に基づいて、耐久財と非耐久財のリサイクル・システムを設計・提案するものである。 まず本研究の依拠する経済理論は、マーケット・マイクロストラクチャー理論である。この理論は、市場秩序の形成を、自らの利益のために仲買をする仲介業者の行動から、内生的に説明する。本研究は、この理論を応用して、製造業者(新製品とリサイクル品の供給者)を消費者(中古品の供給者)と廃棄物処理業者(廃棄物び需要者)の仲介業者としてモデル化して分析した。これにより、近年導入された「家電リサイクル法」のもとで、生産者リサイクルあるいは製品の長寿命化によって利益を確保できることなどが示された。 いっぽう本研究の経済分析は、実験経済学の方法に従っている。この経済学は、研究したい経済をゲームとして再現し、それを人間に実際にプレイさせることで分析する。本研究は、この方法に従ってリサイクル・モデルを人間にプレイさせ、人間の行動とシステムの挙動を観察した。その結果、あまりにも効率的なシステムは、経済主体の合理的行動からの小さな逸脱にも感応的すぎて、所期の性能を発揮できないことがあることなどが示された。 本研究は、マーケット・マイクロストラクチャー理論によるリサイクルの定式化と経済実験という当初の目標を上記のように達成しただけでなく、当初の予定にない成果もあげた。まず経済理論的には、耐久財の経済学の最新理論をリサイクル・モデルに導入できた。さらに分析方法としては、計算機環境を利用する被験者実験と、計算機エージェントをと被験者の両方を含む実験の2つの方法を確立でき、計算機実験と被験者実験を総合することができた。
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