研究課題/領域番号 |
13480118
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
都司 嘉宣 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30183479)
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研究分担者 |
山崎 貞治 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80030360)
岡村 眞 高知大学, 理学部, 教授 (10112385)
中西 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10164229)
志岐 常正 立命館大学, 経営学部, 講師 (10025265)
西村 裕一 北海道大学, 理学部, 助手 (20208226)
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キーワード | 海溝型巨大地震 / 南海地震 / 東海地震 / 津波堆積物 / 津波による地震痕跡 / 中央構造線 / 噴火による津波 / 歴史地震 |
研究概要 |
本研究は、大きく歴史史料に基づく研究と、地質痕跡に基づく研究に分かれる。また、研究の対象とした海溝型の地震は、東海・南海沖の巨大地震、および北海道に大きな津波をもたらした過去の地震である。このほか、外国の海溝型地震、津波の例として、1998年パプアニューギニア国地震、1994年ラバウル市周辺の噴火に伴う津波、トルコ国北アナトリア断層に生じた津波などを取り上げた。 南海沖・東海沖の海溝型地震の研究では、歴史史料研究として都司(2002)の安政伊賀地震の発震機構の研究、中西(2003)の慶長元年(1596)の伊予地震の研究がなされた。中西の研究はこれまで知られていなかった中央構造線の活動によると推定される地震事例の研究である。地質痕跡研究としては、紀伊半島諏訪池(紀伊長島町)、高知県須崎市桐間池の湖底堆積層のコアサンプル採取調査が行われ、約10層あまりの東海・南海地震による津波痕跡が見いだされた。最古の津波痕跡はBC6世紀のものである。志岐・山崎らは知多半島先端部の内海町海岸と、岐阜県土岐市の岩石地層中に地震津波痕跡を見いだし、東海地震系列の地震が中新統の地質年代までさかのぽって存在したことを確認した。 北海道の太平洋海岸の津波痕跡事例として、西村らは噴火湾沿岸に駒ヶ岳噴火(1640)にともなう津波堆積物を見いだし、また道東地方の十勝海岸で、4000年におよぶ数層の津波堆積物を調査した。日本海に起きた津波事例として、寛保元年(1741)の渡島大島の噴火に伴う津波、1993年北海道南西沖地震の津波について、都司(2002)は歴史史料的に、西村(2002)は海岸堆積物の調査によって研究を進めた。 このほか、関東地方南方で起きた海溝型地震である元禄地震(1703)の津波の九十九里海岸被害、三陸海岸では慶長三陸地震の史料的研究が行われた(都司、2002など)。
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