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2003 年度 実績報告書

山中湖湖底堆積物による富士山の火山活動史の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13480121
研究機関山梨県環境科学研究所

研究代表者

内山 高  山梨県環境科学研究所, 自然環境研究部, 研究員 (30333389)

研究分担者 熊井 久雄  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (40020680)
吉川 周作  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30047394)
輿水 達司  山梨県環境科学研究所, 自然環境研究部, 主幹研究員 (20333388)
キーワード富士山 / 湖底堆積物 / 火山活動史 / テフラ層序 / 防災 / 山中湖 / 噴火の影響 / 第四紀地質
研究概要

本研究は火山災害実績図や防災マップを作成する上での基礎資料を得るために,富士山北東麓に位置する山中湖ボーリング掘削で採取した湖底堆積物(YA-1,2コア)のテフラ層序を基に,過去数万年にわたる富士山の火山活動史・噴火史を,また併せて,微化石分析を行い,噴火活動の影響を解明することを目的とした.
今年度は研究の総括と追加の微化石分析およびテフラ・粒度分析等を行った.山中湖コアYA-1・2中のテフラについて記載岩石学的および岩石化学的分析を行い,その特徴を明らかにし,陸上部に分布するテフラとの比較を行った.その結果,陸上部のテフラと概ね対応がついたが,一部未確認のテフラがあることが明らかになった.広域火山灰として,YA-1コア深度約7.4mとYA-2コア深度約6mで伊豆カワゴ平テフラに,YA-1コア深度約11.8mで鬼界アカホヤテフラに対比可能なテフラを見出した.また,炭素14年代として,YA-1コア深度3.4mで1,535年前(暦年補正値,以下同),深度11.5mで約7,015年前,深度14.4mで約12,000年前,またYA-2コアでは深度約13mで約8,500年前の年代を得た.
火山噴火の影響を明らかにするために,山中湖湖心において採取した湖底堆積物(YA-1コア)を用いて,花粉化石と植物珪酸体等の微化石分析を行った.花粉分析の結果から,木本類への火山噴火の顕著な影響は読み取れなかったが,草本類花粉化石や胞子がみられない層準は降下スコリア等のテフラが多数挟在し,その間の堆積物も上下に比べると粗粒シルトや極細粒砂分が多くなることから,テフラの噴出により林床植物や草原性植物は影響を受け,裸地が広がり,浸食が大きくなったものと推定される.
本研究により,富士山北東麓における富士火山の過去数万年にわたるテフラ層序が明らかになり,微化石分析により火山噴火の影響を評価することができた.これらの成果は火山災害実績図の作成等防災上の基礎資料として貢献するものと考える.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 輿水達司, 山内 高: "富士山北麓のボーリングコアの層序および湖の環境変遷史"地球惑星科学関連学会2003年合同大会予稿集. (CD-ROM). Q042-Q007 (2003)

  • [文献書誌] KOSHIMIZU, S.et al.: "Geoenvironmental Investigation of Borehole Cores at the foot of Mt.Fuji, Central JAPAN"XXIII General Assembly of the International Union of Geodesy and Geophysics. IUGG2003 Abstracts. Week A. A.536-A.536 (2003)

  • [文献書誌] UCHIYAMA, T., KOSHIMIZU, S.: "The Volcanic Activity and Volcanogenic Impact on Natural Environment of Mt.Fuji, based on the lake bottom sediments from Fuji Five Lakes"XVI INQUA Congress Programs with Abstracts. 229-229 (2003)

  • [文献書誌] 輿水達司, 内山高, 吉澤一家: "富士五湖周辺の自然環境変遷史に関する研究"山梨県環境科学研究所研究報告書. 8. 1-88 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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