研究概要 |
RFメタンプラズマ中に単分散カーボン微粒子を成長させて3次元クーロン桔晶を形成し,アルゴンイオンレーザーによる散乱光から,微粒子位置の変化を2方向より同位置・同時に観察・記録し,クーロン結晶の構造変化過程ついて調べた.その結果,bct(体心正方格子)とfcc(面心立方格子)の間の遷移過程を観察することができた.その過程における結晶格子間の関係は,結晶面についてbct(011)//fcc(111),結晶軸についてbct[111]//fcc[110]であることがわかった.この結果は鋼のマルテンサイト変態と符合し,最大原子密度面の"すべり"によって構造変化が生じたものと考えられる. 一方,既製の単分散微粒子をアルゴンプラズマ中に導入し,クーロン結晶を形成した.クーロン結晶形成の精密制御を図るため,振動板を利用した微粒子導入方法を開発した.これにより,微粒子密度の制御が可能となった.また,クーロン結晶の3次元構造とその変化過程を詳しく解析するため,プラズマ槽を小型で8角柱形状とし,x, y, zの3方向から同時に同位置を観察できるようにした.さらに装置全体を小型化し(W45cm XD45cm XH90cm),落下実験施設や航空機による微小重力実験が行える構造とした.こうした装置を用いてクーロン結晶が形成できること,その垂直方向の層数を10層以上にできること,プラズマ投入電力を制御して可逆的に変化させることができること確認している.
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