研究概要 |
平成13年度にレーザー・プラズマ相互作用実験の準備をほぼ完了させ,今年度は光の渦及びそれから派生する軸対称偏光の超短パルスレーザーを用いて,以下の研究を行った。 1)サブピコ秒分解能の画像計測:パルス幅130fsの超短パルスTiサファイアレーザー(波長800nm)を2倍高調波変換し,これをプローブ光として超短寿命プラズマのシャドウ計測と干渉計測システムを構築した。超短パルスレーザーの低密度ガスターゲット中の伝搬とプラズマ生成過程を観測し,それらのレーザー光位相・偏光分布依存性を調べた。 2)レーザー偏光制御による縦電場発生:液晶の旋光性を利用した偏光分布制御素子を開発し,直線偏光を軸対称偏光(radial偏光とazimuthal偏光)に90%以上のエネルギー効率で変換できた。0.45MWのRadial偏光YAGレーザーパルスを集光した場合,集光スポット近傍では10^8V/mの縦電場が発生し,この素子をTW級レーザーに応用すると0.1TV/mの超高縦電場生成が可能であることを明らかにした。 3)光の渦及び軸対称偏光レーザーによる粒子加速:0.5-1TWのTiサファイアレーザーパルスを固体及びガスパフターゲットに集光し,光軸前方に加速された電子のエネルギースペクトルを計測した。これらの特殊なレーザーを用いた場合は,従来の直線偏光に比べて加速電子の絶対量及び高エネルギー成分が増加することを明らかにした。 4)粒子シミュレーション:レーザー光の位相・偏光分布が電子加速に与える効果を新たに開発した粒子コードで解析し,円偏光とラゲール・ガウシアンビームとを組み合わせた時に加速効率が格段に向上することを見出した。
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