研究課題/領域番号 |
13480131
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
飯尾 俊二 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (90272723)
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研究分担者 |
筒井 広明 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (20227440)
嶋田 隆一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (40206181)
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キーワード | ファラデー効果 / 磁場計測 / 偏光計測 / ゼーマンレーザー / ロックインアンプ / ヘテロダイン / 偏光面回転 / 磁場閉じ込め核融合 |
研究概要 |
磁場閉じ込め方式による核融合炉において、閉じ込めプラズマの制御に不可欠な電流及び磁場の計測精度を、長時間に亘って保つことが課題となっている。本研究では、ファラデー素子をセンサーとして磁場を測る偏光計を開発している。平成14年度は、ファラデー回転を位相変化として計測する偏光面回転ヘテロダイン方式において、直交直線2周波光を同一光軸上に発振するゼーマンレーザーを光源としてゼロ点の安定化を図り、計測分解能と安定性の試験を行った。 光学系を最少限とした状態でロックインアンプを用いて測った位相差の標準偏差を偏光角に換算した換算位相差計測誤差は、核融合装置の制御応答性を考えると十分な値である時定数1msにおいても約0.01度となり、高精度な測定に使用可能であることをまず確かめた。次いで長時間の位相差信号の安定度を調べると、室温が一定の場合は位相差がほぼ一定に保たれ、換算位相差計測誤差は0.013度と非常に安定しているが、室温が変化すると変動に同期した位相差ドリフトが生じ、これは偏光角に換算して0.06度/℃に相当することが分かった。直交直線偏光を保持しながら自由な光路で伝播するために偏波面保持ファイバを使用すると、戻り光によりレーザー発振が不安定になる。NDフィルタを用いて戻り光対策を行うと、信号強度が低くなるため換算位相差計測誤差は若干劣化して10msの時定数で0.025度となる。 光ヘテロダイン方式では、楕円偏光や直交偏波間のクロストークの影響により偏光角計測に非線形性が生じる。ファラデー回転を1/2波長板の回転で模擬して調べたところ、線形近似では誤差が最大0.2度となるが、三角関数を加えた補正を行うと、残差の標準偏差が0.017度となり、非線形性による誤差をほぼ取り除けることを明らかにした。 さらに、偏光面回転ヘテロダイン法で多チャンネル化するための方式の検討を進めた。
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