研究課題/領域番号 |
13480133
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
松山 政夫 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 教授 (90135004)
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研究分担者 |
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助手 (00334714)
鳥養 祐二 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 講師 (80313592)
波多野 雄治 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助教授 (80218487)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | β線誘起X線計測法 / トリチウム / 非破壊測定 / プラズマ対向材料 / 高原子番号材料 / タングステン / モリブデン / 拡散挙動 |
研究概要 |
核融合炉プラズマ対向材料の候補として挙げられているWやMo等の高原子番号材料に対するトリチウムの捕獲及び拡散等の挙動を調べるために、トリチウム測定法としてβ線誘起X線計測法(BIXS法)を適用し、当該研究期間内で下記の研究成果を得た。 (1)室温でのWに対するトリチウムの拡散挙動の追跡 室温でトリチウムイオンを照射した試料を作成し,室温でのX線スペクトルの強度及び形状変化を追跡した。スペクトルのシミュレーション解析よりトリチウムの深さ分布が計算され,その経時変化より、室温におけるトリチウムの拡散係数が2.4x10^<-19>m^2/sと見積もられた。 (2)照射トリチウムの熱的挙動 照射試料を室温から700℃まで段階的に昇温しながら残留トリチウム量及び分布の変化をBIXS法により追跡した。その結果、加熱温度の上昇と共にAr及びWの特性X線強度の減少割合が増加し、500℃程度の低温でも初期の約10%まで両者とも減少し、表面及び内部からのトリチウムの脱離が起こることが知られた。 (3)トリチウムの拡散挙動挙動に対するHeの照射効果 Heイオンが予め照射されたW試料にトリチウムイオンを照射した場合、照射直後でのX線強度はHe予照射が無い場合に比べて約5倍程度増大していた。即ち、He予照射によってトリチウムの保持量が増加することが知られた。 このX線強度の室温での変化を約5ヶ月間追跡したが、殆ど変化せず、捕獲されたトリチウムが強く保持されおり、He照射の無い場合と大きく異なっていることが判明した。 この試料を室温から段階的に昇温して加熱すると、表面トリチウム量は温度と共に減少したが、内部のトリチウム量は350℃まで殆ど変化せず、その後の加熱で急激に減少した。即ち、照射トリチウムの一部がHe照射によって生成した欠陥サイトに捕獲されていたことを示している。なお、トラップエネルギーを評価したところ、約1.2eVと見積もられた。
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