研究概要 |
燃焼の中で直接力学エネルギーを発生させる方法として旋回流場を利用して温度上昇とともに旋回流れを加速させ,その加速旋回流を元にもどすことによって圧力上昇をはかることも目的として以下の項目を実施した. 1.等温膨張燃焼の理論解析では1次元解析の補強と3次元解析への展開を計り,旋回流部分に出口流出条件が大きく影響することが判明し,より現実に近いモデル化へ改める. 2.等温膨張燃焼を採り入れたガスタービンサイクルの理論解析で断熱圧縮効率,断熱膨張効率等を考慮し,より精度の高い解析を実施し,また等温膨張燃焼を行う際に高速流動に伴なう「回復温度」をも考慮する必要があることが重要な要因になることが明らかになった. 3.予熱温度を最高600℃まで高め,旋回流動実験を実施することができた.旋回のためのスワーラは自動車用ターボチャージャを改良し,スワーラの前後およびスワーラ内部でそれぞれ燃焼させたが,スワーラ内部での燃焼が旋回流加速には圧倒的に有効であることが目視で判明し,半径・軸流方向の圧力分布の測定によって確認できた. 4.上記実験において軸中心部に旋回流加速に伴ないかなり大きな負圧部分が発生し,軸流方向に逆流(循環流)が生じていることおよび出口部分まで伸びていることも確認でき,項目1の理論解析における出口流出条件の設定に現実的な教唆を得ることができた. なお,項目3の実験は当初予定していなかったが,急拠実施したもので期待以上の成果を得ることができたが,本年度当初予定していたエクセルギー解析,NOX排出低減について詳細な検討は実施できなかった.
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