研究課題/領域番号 |
13480139
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 勝憲 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005940)
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研究分担者 |
藤原 充啓 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60333861)
佐藤 学 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40226006)
長谷川 晃 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80241545)
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キーワード | 原子炉材料 / 温度モニタ / 温度履歴 / イオン照射 / 表面微細加工 / 炭化ケイ素 |
研究概要 |
原子炉炉内構造物の健全性を保ち安全な原子炉等を維持するためには、炉内構造材料の材料挙勲の予測手法の確立が必要です。しかしながらその予測手法を適用する対象についてすなわち炉内環境条件の十分な把握も同時に求められます。これまでに行った金属及びセラミックスのイオン照射効果研究を通じて新しい照射温度履歴記憶素子という着想を我々は得ました。本研究では、この照射温度履歴記憶素子すなわち原子炉内で中性子照射を受けた材料の平均あるいは最高温度等の温度履歴に関する情報を推定し得る新しい計測素子についての材料設計指針を確証する実験を行いました。具体的には計測素子の作製に関する技術開発と計測素子の性能に関するデタベースの蓄積です。計測素子の作製としてマスキングメッシュパターンを用いて2次元の表面隆起列を構築しました。ダイナミトロン型イオン加速器を用いてヘリウムイオンをβシリコンカーバイト表面の一定深さに蓄積させ表面隆起を生じさせました。照射するヘリウムイオンエネルギー、注入量、マスクメッシュを変化させ鮮明なパターン配列を構築するための条件を明らかにしました。一方、計測素子の性能に関するデータベースの蓄積として表面隆起列の形状変化について温度履歴をパラメータとして測定しました。隆起形状変化は温度履歴情報を含んでいると考えられ、この隆起形状変化の定量的な把握のためレーザー顕微鏡と原子間力顕微鏡を用いて測定を行いました。ヘリウムイオンの注入量に依存し表面剥離現象が生じる温度条件が異なることを明らかにしました。なお種々のイオン照射による表面形状変化についてはMater.Trans.JIMに発表しました。以上によって原子炉照射環境計測の高度化のための照射温度履歴記憶素子作製技術を確立し、計測に関するデータベースの一部を蓄積することができました。
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