研究課題/領域番号 |
13480141
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 泰男 東京大学, 原子力研究総合センター, 教授 (40011150)
|
研究分担者 |
岩井 岳夫 東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (30272529)
柴田 裕実 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (30216014)
|
キーワード | 低速陽電子ビーム / 短パルス化 / 照射損傷 / バンチング / チョッピング |
研究概要 |
東京大学・原子力研究総合センター・照射研究設備の中性子照射室に低速陽電子ビーム発生装置を設置し、ヴァンデグラーフ加速器からのイオンビーム照射と低速陽電子ビーム照射を同時に行うことが行えるようになっている。この低速陽電子ビームは^<22>Na陽電子源からの陽電子を低速・単色化した後にソレノイドコイルの磁場で誘導して引き出しただけのものであるので、DCビームである。従って、現在消滅γ線のエネルギースペクトルやドップラー拡がりを測定することによって必要な情報を得ている。これによって、鉄試料のイオン照射によって生じる欠陥などについて幾つかの測定を行ってきているが、欠陥構造を知るために最も重要な陽電子寿命を測定することが出来ない。 そこで、本科研費によってこの低速陽電子ビームラインに短パルス化装置を組み込むことを行っている。パルス化の方法は、モデレータにかける電場を周期的に変化させ、1周期の間の陽電子がほぼ同じ時刻に加速管に到達するように調整する方式である。研究は、(1)パルス化試験用ビームラインの設置、(2)パルス化用エレクトロニクスの構築、(3)パルス化の実現、(4)パルス幅・繰り返し周期の最適化、(5)陽電子寿命測定の実現、という手順で行う予定であるが、H13年度は初年度であるので、必要な部品やエレゥトロニクス類の選定・購入が主となった。本実績報告書執筆時現在、パルス化試験用のビームラインを、本来の低速陽電子ビームラインとは別に組み立てている。 本短パルス化の研究では直接の成果が出て居らず発表した論文はない。
|