研究概要 |
(1)分子シミュレーションによる超臨界二酸化炭素へのTBP硝酸錯体溶解度の推算 分子シミュレーションの一つの方法であるモンテカルロ法を適用し,超臨界二酸化炭素中へのTBPおよびTBP硝酸錯体の溶解度を理論計算によって推算する方法を確立し,平成14年度までに得られた実験データとの比較を行った.この結果,超臨界二酸化炭素中とTBP等の相平衡データをギプスエネルギーモンテカルロ法によって推算し,これを溶解度に換算しなおすことによって,実験値をある程度再現できることがわかった.また,単純なレナードジョーンズポテンシャルを用いるのではなく,四重極モーメントも考慮した電気的相互作用をモンテカルロ計算に取り入れることによって,より実験値に近い超臨界流体の状態方程式を再現できることがわかった. (2)研究の取り纏め 平成13年度よりの3年間の研究により,(1)ランタニド酸化物やウラン酸化物からのランタニドやウランを超臨界二酸化炭素中に溶解抽出する際の溶解抽出速度向上に及ぼす温度,圧力,TBP硝酸錯体組成,亜硝酸濃度の影響,(2)ランタニド酸化物やウラン酸化物からのランタニドやウランを超臨界二酸化炭素中に溶解抽出する際の溶解抽出速度向上に及ぼす超音波印加の効果,(3)超臨界二酸化炭素へのTBP,TBP硝酸錯体,TBPランタニド硝酸塩錯体の溶解度の相似性,(4)超臨界二酸化炭素とTBP, TBP硝酸錯体,TBPランタニド硝酸塩錯体の混合特性の統一的記述方法,(5)分子シミュレーションによる超臨界二酸化炭素へのTBP硝酸錯体溶解度の推算方法について予定していた成果がそれぞれ得られ,関連学会での発表および研究論文としての報告を行った.
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