研究課題/領域番号 |
13480156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
増沢 敏行 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (40023858)
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研究分担者 |
古賀 聖治 産業技術総合研究所, つくば西事業所・環境管理研究部門, 主任研究員 (70356971)
永尾 一平 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (00252297)
石坂 隆 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教授 (50022710)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 硫化ジメチル / 大気硫黄化合物 / 海洋植物プランクトン / 硫黄循環 / 海洋生物圏と大気エアロゾル |
研究概要 |
海洋生物起源のDMSを通して大気と海洋間の相互作用に関わるプロセスを明らかにすることを目的として、本助成を受けて下記の項目の研究を行った。(1)大気DMSの自動連続測定システムを構築、(2)西部北太平洋上での観測船による大気と海水のDMSの測定、及びエアロゾルの化学組成の分析、(3)八丈島に観測点を設け、連続観測の実施。また、これらのデータ解析のため、気塊の輸送経路の解析、黄砂の飛来の確認、そして海洋の植物プランクトン量として、海色センサーを搭載した人工衛星SeaWiFSのデータを利用した。これらのデータと風速などの気象データからDMSの大気への放出量を推定し、大気DMS濃度との関係を解析した。また、DMSの測定と並行して大気エアロゾルの化学組成分析を行うための粒径別のエアロゾル採集と数濃度の測定を行った。 その結果、この海域の4月(春季)と12月(冬季)の海水中のDMS濃度を比較すると、4月が1.5〜2倍ほど濃度が高いことが分かった。植物プランクトンの季節変化をSeaWiFSによるクロロフィノル濃度から調べた結果、12月に比べ4月は特に沿岸でクロロフィルが増加しており、海洋生産の季節変化に対応したものであると考えられる。また、海洋生産の高い水塊から輸送されたきた気塊に覆わたときにエアロゾル中のメタンスルフォン酸(MSA)と硫酸塩エアロゾル濃度が有意に増加し、海洋からのインパクトが大気側に及んでいるケースを捉えることができた。一方、黄砂の飛来を確認できたが、黄砂が海洋生産に及ぼす影響を議論するに十分なデータを得ることはできなかった。
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