研究課題/領域番号 |
13480157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70183689)
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研究分担者 |
足立 守 名古屋大学, 博物館, 教授 (10113094)
三村 耕一 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (80262848)
川井 浩史 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 教授 (30161269)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 大阪湾堆積物 / 海洋環境汚染 / 環境評価 / 有機金属元素 / 汚染マップ |
研究概要 |
昨年度採集した大阪湾の表層泥質堆積物154試料からトルエン-メタノール混合溶媒によって抽出した金属元素のうち16種類についてICP-MSにより定量した。その結果、それぞれの元素について汚染マップを描くことが可能となった。その汚染地図から、以下のことが推測される。1)淡路島沿岸の人為印影響のほとんどない堆積物は有機態金属元素の含有量が低いことから、有機態金属元素が環境汚染指標として利用可能である。2)大阪湾の水深20m以下の浅瀬の堆積物は硫黄含有量力が高く、還元的環境である。それに対し、水深20mより深い沖側は、海水の流動により酸化的環境である。この酸化還元状態の違いから、有機態Mnの平面分布は層状コロイドの寄与により説明がが可能である。3)堆積物中の有機態Mgは吸光度分析により、植物プランクトンに含まれるクロロフィルに由来することが示される。水深20m以下の浅瀬では、有機態Asが堆積する過程に植物プランクトンの寄与も考えられる。4)河口堆積物の濃集の違いは、流域から放出される人為起源物質の違いが原因の一つとして考えられるが、堆積物の酸化還元状態による各有機態金属元素の挙動の違いも原因として考えられる。本研究から、堆積物に含まれる有機態金属元素は人工化学種だけでなく、生物活性体や層状コロイドなどの二次生成物も多く存在し、堆積物の酸化還元状態によって有機態金属元素の挙動が異なると考えられる。しかし、有機態金属元素が堆積物の汚染状況の評価指標として利用可能であることが示された。また、この研究の一環として、大阪湾沿岸5ケ所の「ワカメ(褐藻類)」8試料の有害金属元素の定量もあわせて行った。形状等には全く影響が見られないが、ワカメはコバルト・ニッケル・銅・鉛などの有害金属元素を少なからず濃集していることが分かった。
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