研究課題/領域番号 |
13480169
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50099090)
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研究分担者 |
遠藤 暁 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90243609)
高田 純 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00274134)
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20110463)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 原子爆弾 / 中性子 / DS86 / 放射線量 / 被爆者データベース / DS02 / ガンマ線量 / Europium 152 |
研究概要 |
広島・長崎の原爆線量評価体系(DS86)の再評価を日米の共同研究で進めてきた。合計16回の日米のワークショップを開催した。平成15年3月の日米の上級委員会で新しい線量体系(DS02)が決まった。今回の見直しでは2つの主たる問題があった。広島のEu-152などの1km以遠の結果がDS86より5-10倍も高かったこと、近距離では逆に低くなっていたことである。遠距離問題は研究代表者が提案して18個の被曝試料を使い実行されたCl-36とEu152との相互比較実験で解決された。すなわちEu-152の値が小さくなりDS86と一致した。これは今までと比べて1kgと量を10倍にしたこと、金沢大学の小村がトンネルの中で測定したことなどで検出限界が大幅に向上したことによる。自然界のバックグランドがEu-152のガンマ線に混入したことが原因であると考えられる。また近距離問題は爆発点の高さを20m引き上げ600mとすることで計算を下げた。このようにしてDS02が提案され全てが良く一致した。 ただ平成15年7月31日発行のNature誌で、このワーキンググループの研究の中で出されてきた測定結果のうちNi-63のデータのみが、無断で一部の研究者により発表された。特に、日本側の提供したサンプルを使用したこと、旧DS86は正しく、その後の改訂(DS02)はマイナーであるとの結論を述べている点で、他の多くの仕事が解決させたことを無視したこと、が問題である。日米とも強く抗議した。このことに対して現在も解決の努力が続けられている。Nature誌との話し合いで、アデンダムを出し、サンプルを収集した日本側の著者の追加と、本文の修正をすることで解決する方向となっている。この後DS02の出版、全体をまとめた論文の出版、Health Physic誌などに特集号として研究の各部分を発表することで合意がなされている。
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