研究課題/領域番号 |
13480173
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
高野 裕久 独立行政法人国立環境研究所, 環境ホルモン・ダイオキシン研究プロジェクト, 総合研究官 (60281698)
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研究分担者 |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90158410)
市瀬 孝道 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50124334)
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キーワード | 生活習慣病 / 呼吸器傷害 / 肺血管透過性 / 細菌毒素 / ディーゼル排気微粒子 / サイトカイン / ケモカイン / NFкB |
研究概要 |
慢性肺気腫等の生活習慣病に関連する呼吸器傷害は、細菌感染により急性増悪することが多い、初年度として、ディーゼル排気微粒子(DEP)が細菌毒素による肺傷害、肺血管透過性に及ぼす影響を検討した。 ICR系雄性マウスを以下の4群に分け気管内投与を行った。1)vehicle群2)細菌毒素群(エンドトキシン100μg/body)3)DEP群(250μg/body)4)DEP+細菌毒素併用群(3と4の併用)。細菌毒素とDEPの各単独投与群に比較し、DEP+細菌毒素併用群では顕著な肺水腫と好中球浸潤、肺胞出血が観察された。s-ICAM-1、IL-1β、KC、MCP-1、MIP-1αはDEP単独群でわずかに上昇し、細菌毒素単独群で有意な上昇が認められ、併用群では更なる上昇が認められた。特にMIP-1αの相乗効果は大きかった。NFκB、C/EBPに併用群で特徴的な変動が認められ、Toll-lke receptorもvehicle群と各群では誘導の相違が観察された。以上より、DEPは細菌毒素による肺傷害を増悪することが明らかになった。この増悪効果は炎症性サイトカインやケモカイン、ICAM-1の変動と並行し、特にMIP-1αの上昇とよく相関した。この変動には核内転写因子やToll-like receptorが重要な役割を演じていることが示唆された。
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