研究概要 |
火力発電所・都市型コ・ジェネレーションシステムなど大型固定発生源では高性能脱硝装置・電気集じん装置・脱硫装置が別個に設置されており,環境保全に大きな役割を果たしている.集じん装置(粒子補集)や脱硫装置(SOx)は比較的経済的な高性能除去技術が確立されているが,脱硝装置(NOx)には除去効率やコスト面で大きな問題がある. 本研究では,火力発電所・都市型コ・ジェネレーションシステム,また,ディーゼルエンジン排ガスの粒子・脱硫・脱硝同時処理プロセスの革新的技術の開発を目的とし,実ガスを用いて実用運転温度条件下で,粒子・SOx・NOxの除去率,生成物の同定,経済性,システムとしての評価を行い,実用化の指針を得ることを目標とした.本年度は,前年度の研究から得られた基礎データに基づいて,パイロットスケール規模(50〜100L/min程度)のプラズマ発生電源及びプラズマリアクタとケミカルリアクタを一つ選択し,設計製作した.選定されたプラズマ・ケミカルハイブリッドリアクタにより火力発電・ディーゼルエンジン排ガス運転条件下(湿度,温度)において粒子捕集・脱硫・脱硝同時処理実験を行い,粒子捕集効率,SO_2,NOxの除去率,反応生成物同定,消費エネルギー等のエンジニアリングデータを得た.同時にスケールアップに必要なリアクタや電源の設計指針やエンジニアリング評価を行った.さらに火力発電所,及び,ディーゼルエンジン排ガス処理システムとしての設計指針の決定,システムの最適化,経済性の評価の検討を行った.
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