研究課題/領域番号 |
13480194
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
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研究分担者 |
村上 良子 大阪大学, 微生物病研究所, 教務技官 (00304048)
永宗 喜三郎 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90314418)
大石 一人 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60273702)
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キーワード | 小胞体 / 翻訳後修飾 / 糖脂質 |
研究概要 |
GPIアンカー型タンパク質は、C末端に結合した糖脂質(glycosyl phosphatidylinositol)によって膜に保持(アンカー)されている細胞表面タンパク質のグループである。GPIアンカー付加は翻訳後修飾の重要な形式であり、人から酵母、原虫まで広く真核細胞で用いられている。GPIアンカー型になるタンパク質はC末端にGPI付加シグナル配列をもった形で翻訳される。シグナル配列は小胞体に存在するGPIトランスアミターゼに認識され切断され、別に生合成されていたGPIアンカーの前駆体と交換される。GPIの生合成とタンパク質の付加には20数遺伝子が必要であると考えられる。私たちは、これらすべての遺伝子をクローニングし、GPIアンカーの生合成からタンパク質への結合に至る全過程の分子メカニズムを明らかにすることを目標にしている。GPIトランスアミダーゼは、タンパク質C末端のGPI付加シグナル配列を認識し、これを切断してタンパク質---酵素中間体を形成する。さらにGPIアンカーを認識結合しGPIアンカーによって中間体を攻撃しタンパク質にGPIアンカーを結合する。GPIトランスアミダーゼの既知の2成分のうち、GPI8はシグナル配列の切断に働く。GAA1はシグナルの認識に働いているらしいが、さらに少なくともGPIアンカーを認識する成分が必要である。新規の構成成分を同定するため、GPI8にエピトープタグをつけ、ヒト細胞株に発現させ、タグを利用して酵素複合体を精製した。複合体中に、タグされたGPI8とGAA1の他の2つの成分が含まれていることを見いだし配列を決定した。さらに、マウスの遺伝子を得て、F9細胞で破壊したところ、トランスアミダーゼ活性が消失下のでこれらをPIG-S、PIG-Tと名付けた。これらヒトタンパク質のホモログを酵母ゲノムデータベース中に発見した。酵母の2遺伝子の破壊株を入手して調べたところトランスアミダーゼ活性が欠損していたので、GPI16、GPI17と名付けた。
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