研究課題/領域番号 |
13480201
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
脊山 洋右 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (90010082)
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研究分担者 |
澤田 留美 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助手 (30345409)
藤原 葉子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (50293105)
久保田 俊一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00260480)
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キーワード | 脳腱黄色腫症 / CTX / プルキンエ細胞 / コレスタノール / アポトーシス / 小脳症状 |
研究概要 |
脳腱黄色腫症(cerebrotendinous xanthomatosis : CTX)はステロール27位水酸化酵素の障害による先天性の脂質代謝異常症で、血清コレスタノール値が上昇し、腱および神経系の黄色腫、小脳症状、錐体路症状、若年性白内障、痴呆などの症状が現れる。我々はCTX患者の神経、眼などの症状が、コレスタノールによる神経細胞や角膜細胞、水晶体の細胞のアポトーシスに起因するの仮説をたててin vivoおよびin vitroの両面から研究を進め、それを実証する結果を得た。ラットにコレスタノール含有食を15週間投与し、CTX様モデル動物である高コレスタノール血症ラットを作成した。小脳、肝臓、水晶体、眼房水にコレスタノールが蓄積した。そこで、コレスタノールが小脳(特にプルキンエ細胞)、角膜内皮細胞・水晶体上皮細胞の細胞死(アポトーシス)を起こすとの仮説をたて、これを実証する実験を行った。ラットの小脳細胞、ウシ角膜細胞、水晶体上皮細胞を培養し、コレスタノールをの細胞死への効果をトリパンブルー法、TUNELで解析した。さらにアポトーシスの要件であるカスパーゼ活性(ICE, CPP32protease)を測定した。その結果、コレスタノールは小脳細胞、角膜細胞、水晶体上皮細胞細胞のカスパーゼ活性を有意に上昇させ、アポトーシスを誘導することが明かとなった。以上の結果は上記の仮説を実証し、CTX患者の小脳症状、眼症状の機構解明に寄与する研究成果をあげた。
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