• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

人工細胞運動系の創製と3次元運動解析

研究課題

研究課題/領域番号 13480213
研究機関東北大学

研究代表者

樋口 秀男  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90165093)

キーワードキネシン / モータータンパク質 / 1分子 / 蛍光顕微鏡
研究概要

緒言:細胞のしなやかで巧妙な運動はモータータンパク質の滑走運動や細胞骨格の重合脱重合により引き起こされると考えられている.この運動を人工的に作ることができれば,細胞運動の基本原理を抽出できるかも知れない.そこで我々は,微小管上を滑走運動を行うキネシンを動く部品として,これに人工的な物質を組み合わせて,生体内で起こっているような動きを再現できる"ナノマシン"の開発を試みた.
実験:実験では,411残基からなる双頭キネシンの末端にビオチン^-(BCCP)を付けた組み替え分子を発現精製し,これをアピジンをコートした直径0.2μmの蛍光ポリスチレンビーズに結合させた.ATP非存在下で,このキネシンビーズに蛍光標識された微小管をまぜ,ビーズ-キネシン-微小管の複合体を作った.これにcaged-ATPを加え落射蛍光顕微鏡下で形態を観察した.
結果考察:落射蛍光顕微鏡で観察したところ,複合体は十個程度のキネシンビーズに数本ないし数十本の微小管が結合した固まりを形成し,全体の直径が10μm程で微小管は細胞骨格を思わせるような網目状の構造をしていた.これに紫外線を照射してATPを光遊離させた後の複合体の運動を観察を行った結果,運動の基本は3種類に大別された.それらは,1.全体が広がる進展運動,2.縮む収縮運動,3.微小管が曲がる屈曲運動(図),であった.ここで,進展運動と収縮運動は様々な方向を向いた微小管間を挟んでいるビーズ上のキネシンが微小管を滑らせるために生じ,屈曲運動は微小管の滑り速度の異なる間でずれが起こり,微小管が曲げられたため生じたと考察できる。キネシンの微小管上を並進運動するだけの単純な運動機能で様々な運動を発現できる可能性が示された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hideo Higuchi: "Directionality and processivity of molecular Motor"Current Opinion in cell Biology. 14. 50-57 (2002)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi