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2002 年度 実績報告書

高次構造に基づくストレス応答転写調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13480222
研究機関横浜市立大学

研究代表者

西村 善文  横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (70107390)

キーワード転写因子 / テロメア / DNA結合タンパク質 / TRF1 / TRF2 / Rap1 / Myb / DNA認識
研究概要

TRF1のDNA結合ドメインとテロメア配列を持つ2本鎖DNAとの複合体構造をNMRで決定した。3本のヘリックスの立体配置はフリーの時と同じであったがDNAの小さな溝で特異的にTT配列を認識しているN末のフレキシブルアームがフリーの時に比べてDNAとの結合により固定化された。3番目のヘリックスがAGGG配列をDNAの大きな溝で特異的に認識していた。c-MybのDNAとの複合体構造ではR2とR3の3本のヘリックスのうちの各々の3番目のヘリックスがDNAの大きな溝に収まり、お互いのヘリックス同士が強く相互作用して協調的に塩基配列を認識している。フリーの時にはR2とR3は独立な構造体としてフラフラと揺らいでいて協調的な正電荷表面を形成していないがDNAと結合してはじめて協調的にリン酸骨格を抱えるように正電荷の表面が形成される。c-MybのDNA結合ドメインが3個のMybモチーフを含んでいるのはDNAに結合するだけではなく転写の活性化によってDNA結合能を制御するためである。TRF1の場合はテロメアDNAに結合することが主要な機能である。TRF1は2量体を形成するが2量体から突き出たDNA結合ドメインは各々が協調することなく独立にAGGGTT配列に結合するのでTRF1の発現量によりDNAの超高次構造は制御される。Mybモチーフで見られるように同じ様なアミノ酸配列を持っていて同じ様なフォールドを形成していてもタンパク質の機能は多様である。タンパク質中には骨格構造形成に関与してタンパク質の内部に存在し疎水性コアを形成している構造性アミノ酸残基(Structural Residues)とタンパク質の表面に存在し他のタンパク質やDNAとの相互作用に関与する機能性アミノ酸残基(Functional Residues)の両者に大別できる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 西村善文: "情報伝達におけるドメイン構造の多様性と認識の普遍性"実験医学増刊. Vol.20. 72-81 (2002)

  • [文献書誌] 奥田昌彦, 西村善文: "転写における構造生物学"蛋白質・核酸・酵素. Vol.47. 926-940 (2002)

  • [文献書誌] 西村 善文: "タンパク質のドメイン構造-機能ドメインと構造ドメイン"実験医学増刊. Vol.20. 24-32

  • [文献書誌] 西村 善文 (分担執筆): "ここまで判った形づくりのシグナル伝達 (竹縄 忠臣、帯刀 益夫 編 p、72-81)"羊土社. 278 (2002)

  • [文献書誌] 長土居 有隆, 西村 善文 (分担執筆): "NMR分光法 (阿久津 秀雄、島田 一夫、鈴木 栄一郎、西村 善文編 p153-160、p207-233)"学会出版センター. 269 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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