研究課題/領域番号 |
13480235
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
喜多村 直実 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (80107424)
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研究分担者 |
駒田 雅之 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (10225568)
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キーワード | 細胞増殖因子受容体 / エンドサイトーシス / 選別輸送 / Hrs結合蛋白質(Hbp) / 蛋白質のユビキチン化 / 初期エンドソーム |
研究概要 |
細胞増殖因子受容体はリガンドによる刺激を受けるとユビキチン化した後内在化し、初期エンドソームに輸送される。最近初期エンドソームから後期エンドソームへの移行における選別輸送に受容体のユビキチン化が重要な役割を果たしていることが報告されている。一方我々はHrs結合蛋白質(Hbp)がユビキチンと結合することを見出している。したがってHbpはユビキチン化した受容体と相互作用し、受容体の選別輸送の制御に関わっている可能性が考えられる。そこで本研究ではHbpとユビキチンの相互作用について詳細な解析を行った。まずHbpのユビキチン結合ドメインを同定するため種々の欠損変異体Hbpを作成し、ユビキチンとの結合を調べた。その結果、Hbpのユビキチン結合にはN末に存在するVHSドメインが必須であり、さらに最大の結合にはUIM (ubiquitin interacting motif)が必要であることが明らかになった。次にHbpが実際にユビキチン化された蛋白質に結合するか否かについて解析した。その結果、HbpはVHSドメインとUIMを介してユビキチン化した蛋白質に結合することが明らかになった。さらにHbpの細胞内局在についてHbpを細胞に過剰発現して解析した。その結果HbpもHrsと同様に初期エンドソームに局在することが示された。また細胞内においてユビキチン化された蛋白質が初期エンドソームにおいてHbpと相互作用するか否かについて、ユビキチン化された蛋白質を特異的に認識する抗体を用いて調べた。その結果、Hbpを過剰発現した細胞においてユビキチン化された蛋白質が初期エンドソームに蓄積した。したがってユビキチン化された蛋白質が初期エンドソームにおいてHbpと結合することが示唆された。これらの結果から、Hrs/Hbp複合体が細胞増殖因子受容体のリソソーム分解系への選別輸送に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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