研究概要 |
Hoxタンパク質と共同作用する新規TALEホメオドメインタンパク質Prep2の個体発生過程での機能を探るために標的遺伝子破壊個体を初年度に作成したが、ホモ個体が生存可能であるため、本年度は遺伝的バックグラウンドを均一にする操作を野生型マウスC57B6とのバッククロス系で継続して行い、現在8代目を得た。遺伝的バックグラウンドが均一化できたと考えられる12代までバッククロスを継続するとともに、8代目でホモ個体が出生するかどうかについても検討している。Prep2と機能的に冗長性があると推測されるPrep1の標的遺伝子破壊操作を施したES細胞を用いてのキメラ個体の作成を昨年度より継続した。キメラ個体作成は困難を極めたが、本年度にようやく一匹の個体を得ることができ、この個体と野生型マウスC57B6の交配によりPrep1標的遺伝子破壊ヘテロ接合個体を得ることができた。C57B6を用いてバッククロスを進行させると同時に、2代目のPrep1KOヘテロ接合個体を用いてヘテロ接合同士の交配を行ったところ、この交配からはPrep1の標的遺伝子破壊ホモ接合個体出生を認めることはできず、ホモ接合が致死でありPrep1は発生に必須な遺伝子であることが判明した。冗長的な効果を低減させてそれぞれの遺伝子の個体レベルでの機能解析を行うため、交配によりPrep1KO, Prep2KOのさまざまな組み合わせの二重標的遺伝子破壊個体の作成を開始した。これまでにPrep1KO, Prep2KOのダブルヘテロは、頻度は予想よりかなり低いが得られており、発生にはそれぞれが1コピーあればよいことが判った。
|