研究課題/領域番号 |
13480253
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
仙波 恵美子 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00135691)
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研究分担者 |
井辺 弘樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60326353)
森川 吉博 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60230108)
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キーワード | Galectin-1 / FK506 / DRG / ストレス / 海馬 / BDNF / TROY / 神経幹細胞 |
研究概要 |
(1)DRGニューロンに対する内因性レクチンおよびFK506の作用 1)一次知覚伝達系におけるGalectin-1(Gal-1)の役割は不明であるが、酸化型Gal-1がDRGニューロンの突起を伸展させることが報告されている。ラットDRG小型細胞のGDNFに依存性のサブグループがGal-1免疫陽性を示し、後角のGal-1は坐骨神経切断後増加する。髄腔内へ持続的な抗体注入は、spared nerve injuryモデルにおける痛覚過敏を有意に抑制した(投稿中)。酸化型Gal-1投与の効果と後角での可塑的変化について検討中である。 2)CalcineurinのinhibitorであるFK506もDRGニューロンの突起を伸展させる。培養DRGニューロンにOregon Greenを取り込ませてFK506を作用させたところ、小型〜中型細胞の一部で細胞内Ca++の増加が観察された。今後、その下流のシグナノ伝達機構を明らかにする。 (2)海馬錯体細胞に対するサイトカインおよび栄養因子の作用 1)慢性ストレス刺激により海馬錐体細胞の樹状突起が退縮する。BDNFの産生減少が一因と考えその動態について検討すると、慢性ストレス負荷時には海馬でのBDNFの産生減少は急性負荷に比べ緩和されていることがわかった。BDNFの産生調節に関わる血中のGC、脳内セロトニン産生につき同じモデルで検討を加えた(投稿中)。 2)我々がクローニングしたTNFR superfamilyの一種TROYは、胎生期から成獣に至るまで神経上皮や海馬に強く発現し、神経幹細胞からのニューロンの分化と機能維持に重要な役割を果たすと考えられる。その詳細な分布を明らかにし(投稿中)、更に各種マーカー分子との二重染色により、TROYを発現する細胞種について詳細に検討している。また遊離型TROYを過剰発現させたマウスの海馬機能についても検討中である。
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