研究概要 |
本研究課題では、1.Zic蛋白質の機能調節に関わる細胞内シグナルカスケードの同定。2.Zic蛋白質中の転写活性制御領域の同定。3.蛋白質間相互作用を持つ新規分子の探索。4.蛋白質間相互作用を持つ蛋白質との蛋白質結合の調節機構ならびにその意義の検討。5.下流標的遺伝子の探索・解析の各項目について研究を進めた。その結果、以下の成果をあげることができた。1.Zic蛋白質のソニックヘッジホッグシグナルへの関与の分子機構の一部を明らかにした(Koyabu et al.,2001; Mizugishi et al.,2001)。2.ニワトリ脊髄での異所発現ならびにマウス脊髄でのZic1の過剰発現により、新たにZicがNotchシグナルを活性化する事を明らかにした(Aruga et al.,2002a;2002b)。3.Zic2のN末とZincフィンガードメインに転写活性化ドメインをマップすることができた(Mizugishi et al.,印刷中)。4.Yeast two-hybridアッセイにより、複数のZic結合蛋白質を同定し、そのうちのひとつについて、蛋白質間結合の骨格系の形態形成における生物学的意義を明らかにした(Mizugishi et al.,投稿中)。そのほかのZic結合蛋白質についても、生物学的意義の追求を続けた。5.RT-PCR解析、マイクロアレイ解析によりZic1の小脳形成における下流標的遺伝子のいくつかを明らかにした(Aruga et al.,2002b; Hoshino et al.,2003)。ほかのZic変異マウスについても、マイクロアレイ解析を進めた。また、これらの解析の中から、新たに神経発生の制御に重要な役割をはたす遺伝子ファミリーを発見することができ、現在、その解析を続けている
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