研究課題/領域番号 |
13480261
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
山形 要人 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20263262)
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研究分担者 |
田中 秀和 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70273638)
杉浦 弘子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40162870)
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キーワード | 神経活動 / 神経接着分子 / MAP kinase |
研究概要 |
我々は、神経活動によって誘導ざれる神経接着分子arcadlinを見い出した。Arcadlinは、神経活動によってニューロンで誘導される。合成されたarcadlinはシナプスへ運ばれ、シナプス前・後膜で同種結合することによって、神経活動によるシナプス結合の形態学的変化に関わっていると予想される。本年度は、arcadlinの細胞内領域と結合するタンパク質を探索し、その機能解析を行った。 1)Arcadlinの細胞内結合タンパク質を明らかにするため、two-hybrid systemを用いてarcadlin細胞内領域と相互作用するタンパク質のcDNAをスクリーニングし、複数の遺伝子を単離した。 2)次に、HEK293T細胞にarcadlin、単離されたcDNAとGFPの融合遺伝子を共発現させ、arcadlinの細胞外領域に対する抗体で免疫沈降を行ない、抗GFP抗体でウエスタン解析を行った。さらに、共焦点レーザー顕微鏡でarcadlinの染色とGFP蛍光の局在が同じ遺伝子産物を探索したところ、セリンースレオニンキナーゼのTAO2がarcadlinの細胞内領域に結合していることが予想された。 3)TAO2はMKK3をリン酸化し、リン酸化されたMKK3がp38MAPkinaseをリン酸化することが知られている。そこで、HEK293T細胞にarcadlin、TAO2、MKK3、p38を強制発現させ、arcadlinの細胞外領域を細胞外から添加したところ、MKK3、p38のリン酸化が一過性に生じることがわかった。 以上の結果から、TAO2は物理的にarcadlin細胞内領域に結合しているだけでなく、arcadlin細胞外領域の同種結合によって機能的に活性化され、その信号をp38MAPKへ伝達していることが明らかになった。
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