研究課題/領域番号 |
13480263
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
程 肇 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00242115)
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研究分担者 |
井上 慎一 山口大学, 理学部, 教授 (10274151)
榊 佳之 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10112327)
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キーワード | 時計遺伝子 / Period1 / 概日リズム / 視交叉上核 / DNAチップ |
研究概要 |
生物には概日リズムとよばれる、行動や生化学的活動を支配する24時間に近い周期を持つ活動リズムが見い出される。哺乳類の場合、概日時計中枢は脳視床下部の視交叉上核(SCN)に存在し、SCNの日周性を伴った神経活動出力、或いは、液性因子の分泌により末梢組織を支配して、概日リズムを形成している。概日リズム形成の分子機構の全体像の解明には、時計遺伝子群や時計により制御されている遺伝子群(clock controlled gene ; ccg)の大規模発現検索系が必須である。Period1(Per1)の転写翻訳産物量は、マウスSCNで明暗及び恒暗条件下、明期で高く時期に低い自律的な日周変動を示した。そこで、Per1の発現を細胞レベルでモニターするために、Per1 : : luc融合遺伝子のトランスジェニック動物を作成した。Perl : : luc動物のSCNスライス培養系では、luciferase活性が約2ヶ月間約24時間の周期で発現振動した。また、いくつかの末梢組織培養系でも、それぞれの時計計時位相を忠実に反映したluciferase発現日周リズムが2-6周期保たれた。本研究では、概日時計中枢の分子発振機構を解析するために、リズム位相を直接モニタリングできるこれらの動物よりSCN由来細胞株を樹立して用いることにした。そして、SCN細胞において発現が日周振動する遺伝子を集積するために、DNAチップによる遺伝子発現プロファイリングを行う予定である。本年度は、Perl : : luc動物からSCN由来細胞株の樹立を行うことができた。来年度は、SCNにおいて発現が日周振動する遺伝子に注目し、in vivoでの発現及び機能解析を試みる。
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