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2003 年度 実績報告書

シナプス抑圧を制御するカルシウム遊離機構の分子的背景

研究課題

研究課題/領域番号 13480266
研究機関京都大学

研究代表者

加藤 伸郎  京都大学, 医学研究科, 助教授 (10152729)

研究分担者 杉浦 重樹  奈良県立医科学大学, 医学部, 助教授 (40179130)
キーワードカルシウム遊離 / カルシウムチャネル / シナプ可塑性 / シナプス抑圧 / 海馬CAI / シナプス伝達
研究概要

シナプス抑圧の誘導に不可欠なもののひとつは、ポスト側の細胞内カルシウム信号系である。シナプスの刺激によりポストシナプス側で細胞内カルシウム上昇が起こるが、その上昇が大きければLTPが起こり、少量の上昇ではLTDが起こるという説が、カルシウムとシナプス可塑性との関係について言われている。このようなカルシウム濃度一元論においては、LTDが誘導される閾値のあたりでは、LTDが誘導されるかされないかが極わずかのカルシウム濃度変化で決まってしまうことになる。このような一見不安定なメカニズムが実効しているのか、それとも、何か他の単にカルシウムの量だけに依存しないメカニズムが並存して、システムを安定に働くようにしているのかに興味を持った。そこで、LTDが誘導される範囲で、シナプスの刺激周波数と細胞内カルシウム上昇量の関係を調べた。その結果、シナプス可塑性とカルシウム濃度の関係は、2つのコンポーネントからなっている可能性が示唆する結果を得た。一つは、従来から言われている、カルシウムの量に依存する部分で、主にefficacyが強まっていく範囲にあるものであり、これはNMDA受容体に依存したシナプス抑制機構を駆動する。もう一つは、カルシウムの増加するsourceに依存する部分で、主にefficacyが抑制されていく範囲、すなわちポストシナプス側の活動程度が低い範囲において働くコンポーネントである。この範囲においては、細胞内からのカルシウム放出に依存するシナプス抑圧抑制機構も駆動され、NMDA受容体依存機構と並存することが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yoshimura et al.: "Age-dependent appearance of an insulo-parietal cortical signal propagation that elicits a synchronized population oscillation in the parietal cortex in rats."Dev Brain Res. 143. 245-251 (2003)

  • [文献書誌] Yoshimura et al.: "Age-dependent emergence of oscillatory signal flow between the primary and secondary visual cortices in rat brain slices"Brain Res. 990. 172-181 (2003)

  • [文献書誌] Yamada et al.: "Small conductance Ca^<2+>-dependent K^+ channels are the target of spike-induced Ca^<2+> release in a feedback regulation of pyramidal cell excitability"J Neurophysiol. (印刷中).

  • [文献書誌] Nakano et al.: "Frequency-dependent requirement for calcium store-operated mechanisms in induction of homosynaptic long-term depression at hippocampus CA1 synapses"Eur J Neurosci. (印刷中).

  • [文献書誌] Yoshimura et al.: "Age-dependent emergence of a parieto-insular corticocortical signal flow in developing rats"Der Brain Res. (印刷中).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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