研究課題/領域番号 |
13480270
|
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
池中 一裕 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00144527)
|
研究分担者 |
中平 健祐 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10260043)
馬場 広子 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40271499)
藤本 一朗 岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 助手 (70264710)
|
キーワード | 小脳顆粒細胞 / 有髄軸索 / ランビエ絞輪 / 電位依存性K^+チャネル / 電位依存性Na^+チャネル / Ca<2+>センサータンパク / シナプス形成 / GFP |
研究概要 |
神経細胞のイオンチャネル遺伝子産物の細胞内局在は厳密に制御されており、機能的に異なる性質が要求される部位には特異的なチャネル分子が局在する。この局在の分子メカニズムを明らかにするために以下の研究をおこなった。樹状突起とシナプスへに局在するKv4.2について、このチャネルの結合蛋白質であるNCS-1を強制発現させることで細胞体から樹状突起への移行がおこることを明らかにした。培養株化細胞を用いた解析により、この局在制御系にはゴルジ体から細胞膜への蛋白質輸送を制御することが報告されているP14-kinasebetaが重要な役割を果たしていると考えられた。また、局在を解析するツールとしてKv4.2とEGFPの融合蛋白質cDNAを作製した。N末端またはC末端にEGFPを融合させた2種のcDNAについてパッチクランプ法によりチャネル活性を確認した。この融合タンパク質は培養株細胞と培養小脳顆粒細胞でwild-type同様に小胞体に集積し、Kv4の結合蛋白質であるKChIP-1との共発現により細胞膜へと移行した。これらの結果から局在制御を解析するための有効なツールとなることが明らかとなった。有髄神経軸索上の電位依存性チャネルの局在化については、これまでにミエリン形成細胞あるいはミエリン膜自体からのシグナルが重要であることを示したが、今回どの分子が関与しているのかを明らかにする目的で様々なミェリン分子のノックアウトマウスを解析した。その結果、ミェリンの糖脂質であるサルファチドと4回膜貫通型蛋白であるCD9が、チャネル分子の局在化に深く関与していること、これらの分子のどちらが欠損しても接着分子であるneurofascin155のミエリン膜への)局在化が生じないことが明らかになった。現在これらの分子がどのようにして軸策上のチャネルの局在化に関与するのかを解析中である。
|