• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

動脈用小口径の人工血管の生体外再構築

研究課題

研究課題/領域番号 13480289
研究機関東京大学

研究代表者

牛田 多加志  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50323522)

研究分担者 古川 克子  東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90343144)
立石 哲也  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40323521)
キーワード人工血管 / 細胞 / 再生医療
研究概要

細胞から構成される組織再構築型の人工血管を開発するために必要不可欠な条件である血管内皮細胞の底面への接着力が向上する環境・培養条件を探索するために,力学的な刺激の一つである静水圧を血管内皮細胞に負荷し,人工的な材料表面への接着力に及ぼす静水圧の効果を定量的に解析することを平成14年度の目的とした。シリコンコートした硝子に接着したECに5MPaの一定の静水圧を24時間に亘って負荷したところ,52%の細胞が剪断応力によって剥離することなく材料表蔓に接着していることがわかった.静水圧を負荷しないで直接剪断応力を負荷した系では,剪断応力の負荷開始前に比べて45%の細胞が剪断応力によって剥離することなく材料表蔓に留まる傾向が得られた.一方,変動的な静水圧負荷のECの接着強度に及ぼす影響を調べるために,ECを播種した材料に3.5〜6MPaの変動的な圧力を0.017Hzの頻度で24時間に亘って負荷した.静水圧を負荷した群では70%の細胞が剪断応力によって剥離することなく材料表蔓に留まることがわかったのに対し,あらかじめ静水圧を負荷していない系ではその割合は33%になることがわかった.従って,周期的な圧力変動が血管内皮細胞の接着力を増強する傾向があることがわかった.生体内の血管では,剪断応力の大きい動脈にのみ拍動が存在し,剪断応力の低い静脈においては脈動が存在しない.したがって,血管内皮細胞が高い剪断応力によって容易に剥離しないように拍動による圧力変動がなんらかの細胞接着に関わる生理活性作用を細胞にもたらしている可能性も考えられる.今後,本研究で得られた結果の詳細なメカニズムの解明が必要であると考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Katsuko S Furukawa, Takashi Ushida, Kenshi TOITA, Yasuyuki Sakai, Tetsuya Tateishi: "Hybrid of Gel-Cultured Smooth Muscle Cells with PLLA Sponge as a Scaffold towards Blood Vessel Regeneration"Cell Transplantation. 11(5). 475-480 (2002)

  • [文献書誌] Takashi Ushida, Katsuko FURUKAWA, Kenshi TOITA, Tetsuya TATEISHI: "Three dimensiona seeding of chondrocytes encapsulated in collage gel into PLLA scaffolds"Cell Transplantation. 11(5). 489-494 (2002)

  • [文献書誌] Katsuko S Furukawa, Takashi Ushida, Kenshi TOITA, Yasuyuki Sakai, Tetsuya Tateishi: "Rapid and large scale formation of chondrocyte aggregates by rotational culture"Cell Transplantation. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Katsuko FURUKAWA: "Rapid formation model of tissue-engineered artificial vascular graft"Proceedings of International Symposium on Cell Biomechanics & Tissue Engineering. 74-77 (2002)

  • [文献書誌] Katsuko FURUKAWA, Takashi USHIDA, Kenshi TOITA, Tetsuya TATEISHI, Yasuyuki SAKAI: "Rapid formation model of tissue-engineered artificial vascular graft"Biomedical material research in the far east (IV), X.Zhang and Y.Ikeda Eds ; Kobunshi Kangokai. (in press).

  • [文献書誌] 立石哲也, 牛田多加志, 古川克子: "機械工学便覧"日本機械学会(印刷中).

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi