研究課題/領域番号 |
13480297
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田村 実 愛媛大学, 工学部, 助教授 (00128349)
|
研究分担者 |
中村 洋一 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (90180413)
吉田 敏 岐阜大学, 工学部, 教授 (50158440)
三浦 恵 横浜私立大学, 医学部, 助教授 (60157427)
|
キーワード | Superoxide / Reactive oxygen / NADPH oxidase / Cytochrome b_<558> / Nox / duox family / Neutrophilts / Fusion protein / Small GTPase |
研究概要 |
[1]安定でクリーンなO_2^-発生源の完成(田村) [67N-47N融合タンパク] NADPH oxidaseの制御サブユニットp47の自己制御をはずすために、短縮型p47(47N)を短縮型p67(67N)とつないだ融合型を遺伝子工学的に創製した。 [RacQ61L変異体] Racの代わりに恒常的活性型のRac変異体Q61Lを使うことにより、67NとRacの間を格段に安定化できることを見い出した。また、これと上述の67N-47Nとを組み合わせて酵素を再構成すると、これまでのどの場合より安定なcomplexが得られた。 [活性化剤SDSの割愛] NADPH oxidaseの活性化には活性化タンパク因子のほかに、活性剤としてSDSが要るのがこれまでの常識であった。我々はcytochrome b_<558>を再脂質化する際の脂質の組成を工夫することにより、活性化剤なしで、酵素が活性化できることを見い出した。この方法で活性化した酵素の安定性を認べると、SDSを使った場合と比べてさらに安定であることが明らかになった。 [保存法] 濃い濃度で酵素サブユニットを混ぜて活性化させたのち、凍結すると、解凍後も活性が全く落ちていないことを見い出した。これにより、活性化酵素を凍結した状態で発送し、利用者は実験時に解凍して用いることが可能になった。 [2]完成した新規デバイスの応用 アルツハイマー病の特徴であるアミロイド形成の実験系としてしばしば用いられるHEK細胞を用いてO_2^-の影響を謂べたところ、デバイスを5,000倍希釈で用いた時、細胞の増殖がとまり、500倍希釈では細胞死が起こることが見い出された(三浦)。SOD(superoxide dismutase)を共存させた時にはこのような現象は見られなかったことから、これはO_2^-の効果であると考えられた。一方、ニューロン細胞では相当濃度のデバイスを加えても細胞死は起こらなかった(中村)。このように細胞によって酸化ストレスへの抵抗性にかなりの差があることがわかった。また、海馬スライスヘのO_2^-の影響を継続的に調べるための予備実験として、実験用シャーレにメジウムとデバイスを入れ特殊電極により測定したところ、デバイスから多量の活性酸素が発生していることが確認された(吉田>。
|