研究課題/領域番号 |
13490003
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹野 正 弘前大学, 大学院・地域社会研究科, 教授 (30092266)
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研究分担者 |
木立 るり子 弘前大学, 医学部, 助手 (60197192)
山下 祐介 弘前大学, 人文学部, 助教授 (90253369)
作道 信介 弘前大学, 人文学部, 教授 (50187077)
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キーワード | 高齢化 / 在宅介護 / 介護文化 / 出稼ぎ / 介護用品 / ケア・マネージャー / 介護保険 / 開拓集落 |
研究概要 |
1.高齢者出稼ぎ体験のききとり調査 平賀町における出稼ぎの語りをテーマや話の筋に着目して、語られた出稼ぎ体験のパターンを分析した。それによれば、戦前からの出かせぎ体験者は戦前の出稼ぎを「監獄」にたとえ、それと比較して現在の出稼ぎを評価すること、ライフ・サイクルの進展にともなって、職場での地位役割の変化が生じ、語りの位置取りが変化することが指摘された。その一方、大企業に雇われた漁業出稼ぎでは、職場での地位役割の上昇を村内では話せないなど、稼動先と地元で機能する規範のちがいをうかがわせる語りを見いだすことができた。 2.在宅高齢者介護調査 前年度、収集したインタビュー・データを、介護用品をどのように用いているかという観点から分析した。工夫としては、1日常品の改良、2既製品の改良の事例があげられた。また、高齢者介護の場合、機能の低下とともに、用いていた介護用品が使えなくなる特質がある。結果として、介護者は既製の介護用品をそのまま用いているのではなく、病状や身体機能、リハビリの必要度にあわせて、工夫しながら用いている実態が明らかになった。 3.高齢化地域調査-介護文化 新聞記事データベースを利用して介護用品関連記事を抽出し、内容分析をおこなった。介護保険導入前後に多様な業種が参入しており、さまざまな介護活動を補助する工夫がおこなわれている。しかし、この工夫が被介護者のためなのか介護者のためなのかは今後の検討課題である。 4.研究会の開催 1)「出稼ぎ・過疎・高齢化」研究会(でっこの会)を外部からのゲスト(北村光二、木戸功)を招聘して、2月28日に開催した。上記研究班の発表がなされ、活発な質疑がおこなわれた。上記研究班に加えて、津軽地方北部の戦後開拓集落の歴史を語りによって明らかにする試み、津軽の地域変容と社会移動の関連の検討(山下祐介)についての発表もおこなわれた。 2)介護文化研究会は本研究班と地域のケア・マネージャーや介護者を中心にほぼ1ヶ月に1回の割合で開催されており、10回を数えた。
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