研究課題/領域番号 |
13490011
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
渡辺 雅司 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90133214)
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研究分担者 |
鈴木 義一 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (40262125)
高橋 清治 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30126106)
亀山 郁夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00122359)
中嶋 毅 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (70241495)
富田 武 成蹊大学, 法学部, 教授 (10207607)
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キーワード | 総力戦 / ソ連 / スターリン体制 / アヴァンギャルド / ロシア革命 / 計画化 / 全体主義 / 粛清 |
研究概要 |
研究期間初年度である平成13年度は、政治グループ・文化史グループ・歴史グループのそれぞれにおいて、世界戦争前夜のソヴィエトの実体についての研究成果を公刊した。 まず文化史のグループでは、1934年のキーロフ暗殺事件から大粛清に至る時期を中心としたスターリン体制における権力と芸術家の緊張した関係についての実証的な研究が進んだ。亀山郁夫「オペラと権力闘争ーーショスタコーヴィッチの1936年」(『スラヴ文化研究』)は、ショスタコーヴィッチのオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』とそれに対するスターリンによる1936年の「荒唐無稽」という批判を軸に、作品を当時の政治状況の文脈の中で詳細に分析している。スターリン体制におけるショスタコーヴィチを中心とした芸術家の運命についての研究は、さらに大テロルの時代、第二次大戦期へと展開しつつある。 政治分野の研究では、やはり1930年代に至る時期の「道標転換派」の活動と、スターリン体制化における彼らの歴史的運命についての実証的な研究が進んでおり、その成果は近く公刊される予定である。また、政治グループでは、現代ロシアの政治・イデオロギー状況に現れるスターリン体制と戦時のソヴィエト国家についての研究も進みつつある。とくに、政界再編過程のプーチン政権と各政党の動向、およびそこに現れる現代ロシアのイデオロギー状況について、一連の研究成果を刊行した。 歴史グループでは、ロシア・ソ連の「帝国」とそのカフカス統治をめぐる民族問題の構造的な分析の研究が公刊された。さらに、計画経済体制の形成過程における計画化論を同時代の「社会主義経済計算論争」と対照した研究も、まもなく刊行の予定である。
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