研究課題/領域番号 |
13490011
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
渡辺 雅司 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90133214)
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研究分担者 |
鈴木 義一 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (40262125)
高橋 清治 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (30126106)
亀山 郁夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00122359)
中村 裕 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (30237424)
中嶋 毅 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (70241495)
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キーワード | 総力戦 / ソ連 / スターリン体制 / アヴァンギャルド / ロシア革命 / 計画化 / 全体主義 / 粛清 |
研究概要 |
研究機関の最終年度にあたり、1930年代のスターリン体制確立期と第二次世界大戦に向けた総力戦体制の準備期間を核としつつ、両対戦間期から第二次世界大戦後までの時期を展望して、ソ連の政治と文化について多面的な研究が行われた。 亀山郁夫『熱狂とユーフォリア』は、ロシア文化の基底にある「全体性」「全一性」を解き明かすとともに、「全体主義国家」の文化構造とロシアの底流にある思想との総合関連を解明した。とりわけ、終末的・有機的・切断的・母性的・微温的・生命的・平衡的・破壊的の8つのキーワードにしたがって、上記の課題に取り組んでいる。総力戦の時代のスターリン体制における権力装置と文化構造を解明するにとどまらず、「スターリン学」のための序章」という副題が示すように、全体主義と文化・芸術をめぐる新しいアプローチの構築をも志向している。 政治史の部門では、中村裕「テロと向き合うロシア」が、現代ロシアの思想状況を手がかりとし、ポスト冷戦の状況におけるロシアのアイデンティティーをめぐる議論を分析した。ソヴィエト体制から現代のロシアに受け継がれているロシア・ナショナリズムとその変容の実態を明らかにした。中嶋毅「ハルビン法科大学小史」では、日本帝国主義とスターリン体制下のソ連の接点に位置したハルビンにおいて、亡命ロシア人とソ連人が交錯するという状況の中で「ハルビン法科大学」の歴史を描いた。 高橋清治「党アルヒーフに「グルジア問題」を読む」では、第一次世界大戦と内戦の過程で成立した多民族国家としてのソヴィエト国家におけるグルジア問題を、新たに公開された旧共産党中央委員会アルヒーフ史料を基に分析した。
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