• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

心理学実験と脳機能画像解析によるヒト視覚系の3次元情報処理過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13490016
研究機関神戸大学

研究代表者

喜多 伸一  神戸大学, 文学部, 助教授 (10224940)

研究分担者 泰羅 雅登  日本大学, 医学部, 助教授 (50179397)
末次 晃  神戸大学, 文化学研究科, 助手 (40324892)
松嶋 隆二  神戸大学, 文学部, 教授 (80025072)
キーワード視覚 / 物体認知 / 空間認知 / 心理物理学実験 / fMRI実験
研究概要

本研究の目的は、心理学実験とfMRI実験を併用することにより、ヒトの視覚系の物体認知や空間認知の機能を明らかにすることである。本年度は、運動物体の認知に関する上視野と下視野の非対称性の問題を、もっぱら心理学実験により調べた。右向きまたは左向きに平行移動するランダムドットで作成した刺激を、タテヨコ90度に拡がる視野内の広領域に提示し、上視野と下視野の運動方向や運動速度を変化させたときのベクション(自己運動感覚)の有無や強さを調べた。ランダムドット密度は16%であり、運動速度は毎秒8度から32度とした。またベクションの指標には、ベクションが生起するまでの反応潜時、ベクションが生起している持続時間、およびベクションの主観的強さのマグニチュード評価を用いた。結果は、上視野と下視野にそれぞれ単独で運動刺激を提示する条件では(単独提示条件)、ベクションは生起しなかったが、上視野と下視野の両方に運動刺激を提示し、その運動の向きが上視野と下視野で逆向きのとき(拮抗条件)、上視野に提示された運動刺激の方がベクションを強く引き起こした。視野の上下差については、そもそもの機能差があるべきだという目的論的な発想が19世紀からあり、近年になって、解剖学的にはサルのV3野で下視野の対応部位の方が大きいという非対称性が報告されたが、その差が実際の知覚内容に及ぼす影響については明確な結果は少なかった。最近ハーバード大学のナカヤマ教授の研究室が、物体認知に関して下視野が優位であるという報告を行っており、これはわれわれの発見と整合する部分と矛盾する部分があるので、関係を究明する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 喜多 伸一: "上下視野拮抗運動刺激を用いたベクションの検討"電子情報通信学会, PRMU-HIP. 47. 39-44 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi