研究課題/領域番号 |
13490024
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
小柴 共一 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (80117704)
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研究分担者 |
岡本 龍史 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (50285095)
澤 進一郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00315748)
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キーワード | アブシジン酸(ABA) / 生合成 / ストレス / 乾燥 / アブシジンアルデヒド / アルデヒド酸化酵素 / シロイヌナズナ / 気孔閉鎖 |
研究概要 |
植物ホルモンの一つであるアブシジン酸(ABA)は、植物の乾燥・高塩といったストレスへの応答や種子の成熟・休眠性に重要な働きを担っているが、その生合成や作用機構に関する分子レベルでの研究はあまり進んでいない。本年度は、申請代表者らが主にシロイヌナズナを材料に進めてきたABA生合成の最終段階の反応を触媒するアブシジンアルデヒド酸化酵素(ABAO)に注目し、植物におけるABA生合成の時期・器官特異的な調節機構を分子レベルで明らかにしていくことを目標として研究を進めてきた。まず、葉に特異的なABAOは、植物体を乾燥処理したときに急速に発現が誘導され、同時に内生のABA量の急激な増加が確認された。一方、根においては、乾燥処理によってもABAOの誘導は起こらずまたABA量の増加も検出できなかった。このABAO遺伝子の発現調節機構を明らかにするため、ABAO遺伝子プロモータ下にレポーター遺伝子(GUS, LUC)をつないだコンストラクトを遺伝子導入した植物を作製し、乾燥への誘導に働くシスの領域を検討した。また、AAO3プロモーター::GUS/GFP導入植物も作製しABAOの植物体内での発現部位を調べた。その結果、ABAO遺伝子の上流1kbp以内に乾燥応答領域のあることが認められ、また、ABAOの発現は根の先端部や維管束、葉の葉肉細胞などにある程度広く分布することが明らかになってきている。さらに、本年度はABAOの一つ上流に位置するABA2遺伝子のクローニングを進め原因遺伝子を特定その機能(キサントキシンをアブシジンアルデヒドに変換)を確認した。
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