研究課題/領域番号 |
13490031
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研究機関 | 新潟青陵大学 |
研究代表者 |
木下 安子 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 教授 (50073052)
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研究分担者 |
土橋 敏孝 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 教授 (80310481)
奥村 百合恵 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 教授 (00273037)
竹下 由紀子 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 教授 (00018152)
茶谷 利つ子 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 助教授 (10290066)
佐藤 信枝 新潟青陵大学, 看護福祉心理学部, 助教授 (20289797)
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キーワード | ヒューマンエラー / 看護事故の構造分析 / 介護事故 / 事故予測とリスク回避 / 安全看護教育方法 / 看護技術の安全化 |
研究概要 |
4つのプロジェクトによって研究を行なっている。 【プロジェクト1-1.保健医療福祉現場におけるヒューマンエラーに関する実態調査】「介護事故対策とその向上についてのアンケート調査」の結果を、本学講座として開催された「安全な医療・介護・生活を目指して」の講座の中で県民に向けて公表することで、新潟県の保健福祉医療施設での事故と防止対策について研究の成果の一端を報告した。 【プロジェクト1-2.訪問看護ステーションにおけるリスクマネージメントに関する実態調査】訪問看護における事故に関して、介護保険法施行3年経過後のインシデント・アクシデントの実態及びその予防対策や事故対応対策の実態を、訪問看護ステーションを対象に調査した。事故の実態とともに、事故防止に関して関係者・関係機関に求められ期待されている課題を明らかにした。 【プロジェクト2-1.看護場面の事故発生可能性に関する主観的判断とリスク回避行動】「事故確率の予測の高い看護師は現実のミスが少ない」との仮定に基づき、アンケートの解答による事故予測の高い看護師と低い看護師を選び、比較をした。一般的には勤務年数が少ない看護師の事故予測が高く、勤務年数と事故予測は逆相関する傾向があった。そこで、類似の勤務年数の看護師の中で、相対的に事故予測の高い看護師と低い看護師を選び出し、看護師の勤務状態について上司への面接により聴取した。これらにより、事故予測の低い看護師の中には、実際にミスの少ない看護師とミスが少なくない看護師とが存在することが明らかになった。 【プロジェクト2-2.看護過誤と基礎看護教育-基本と実践・個人特性・外的要因-】看護過誤判例にみられる注意義務違反とされる要因に関する看護職の意識・認識・看護行為等の内容について,アンケート調査(分析対象1300件)の結果,看護の事故とインシデントの要因は経験年数に関連していることを明らかにした。とくに経験年数の浅い1〜3年未満の看護職は事故・インシデントの経験があり,経験年数の多い看護職の10年以上のものは過誤の発生の意識・認識が浅い傾向にあることが明らかになった。 【プロジェクト3.看護基礎教育における安全教育】看護師、医師、社会福祉士・介護福祉士の資格取得をめざす大学教育での事故防止教育の実態について、教員を対象にアンケート調査を実施した。事故防止教育について独立した科目は2000年以降開講されてきている。医学・看護・介護の領域と社会福祉士の事故防止の考え方には差異がある。 【プロジェクト4.ヒューマンエラーの構造化と安全教育カリキュラムの構築】プロジェクト1〜3の課題が明らかにされ、それらを統合することにより、ヒューマンエラーに対する具体的な方策が検討される。特に安全教育のためのテキストの作成に着手した。
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