研究分担者 |
藤原 良叔 筑波大学, 社会工学系, 教授 (30165443)
小田 芳彰 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (90325043)
太田 克弘 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40213722)
三嶋 美和子 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 助教授 (00283284)
栗木 進二 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00167389)
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研究概要 |
本研究では,研究代表者および分担者らは組合せデザインの新しい応用について研究を行ってきた.本年度は,組合せデザインのDNA解析への応用の研究,RAID,光直交符号,最適ホッピング系列の構成への応用に関する研究を行ったが,特にDNA library screeningのためのpositive発見アルゴリズムの開発に顕著な進展を見た. (1)DNA library screeningのためのpooling designの構成と解析アルゴリズムについて DNA解析において,多くの塩基列の中からある塩基列と対を成す塩基列を見出すscreening実験がよく行われる.その際,実験回数を減らすためにpooling experimentと呼ばれる実験方法が用いられることがある.本年度は,昨年度までの研究に加えて,各poolの実験結果からpositiveなcloneを見出すための効率的なアルゴリズムを開発した.本アルゴリズムはLDPCと呼ばれる符号の誤り訂正アルゴリズムあるいはベイジアンネットワークと呼ばれるアルゴリズムの一種であり,従来のMCMCによる判定アルゴリズムより100倍程度計算が速くなっている。本アルゴリズムは,実用に供するために慶應義塾大学から特許申請中である.また,実験回数を削減するための効率的なpooling designの組合せ論的構成法も見出した. (2)RAIDの記録効率と誤り訂正能力向上のためのcluttered orderingおよびerasure resilient code RAIDにおいてinfomation diskへの書き込みの順序を最適化することにより,書き込みを行わなければならないcheck diskの数を削減し,記録効率を向上できるが知られている.本研究では,2次元parityと呼ばれるRAIDについてwrapped ρラベリングを用いて効率的な書き込み順序を求める方法を見出し,具体的にいくつかのwrapped ρラベリングを求めた.また,誤り訂正能力を一定に保ったもとでinformation diskに対するcheck diskの比を小さくするerasure resilient codeについても研究を行い,アフィン幾何から作られるerasure resilient codeの誤り訂正能力の高さを示した.
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