研究課題/領域番号 |
13554010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺内 正己 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30192652)
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研究分担者 |
齊藤 晃 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50292280)
津田 健治 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (00241274)
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キーワード | 軟X線分光 / 電子顕微鏡 / 価電子状態密度分布 / 局所領域 / L発光スペクトル / ボロンナノワイヤ |
研究概要 |
1.14年度に作製した400-1200eVの測定範囲をもつ不当間隔ラミナー回折格子を組み込むための新しい分光器チャンバーの設計・製作を附属工場にて行った.従来の回折格子と併用を可能とするため、検出器の移動機構を新規に設計・製作して組み込んだ.排気系の排気速度も向上させる改造を行った結果、これまでよりも一桁真空度を向上させることが出来た. 2.検出効率を向上させるため、全反射を利用したX線用の集光ミラーを新たに設計・製作を行った.集光率を向上させるため、楕円柱面の曲率を持ったミラーをデザインした.希望の曲率を有した金属製の下地の上にWスパッタ膜をつけたマイカ薄膜を固定する方法を採用した.この結果、ミラーなしに比べて約4倍のX線強度を得られるようになった. 3.ミラーを組み込んだ新しい分光器で新しい回折格子を用い、CuのL発光スペクトル(〜900eV)の測定を行った.通常の電子顕微鏡用のX線分析器ではエネルギー分解能が100eV程度以上と悪いために1つのL発光ピークしか観測できないが、本研究で作製した分光器では、4つのL発光ピーク(Lα、Lβ、L1、Lη)の観測に成功した.これにより、開発した分光器が十分なエネルギー分解能とS/Nを有していることが実証された. 4.開発した分光器を用いボロンナノワイヤー一本からのボロンK発光スペクトルの測定を初めて行い、βボロンのボロンK発光スペクトルとの比較を行った.その結果、価電子帯の高結合エネルギー領域に新たな状態密度の構造が存在することを明らかにした.
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