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2001 年度 実績報告書

ナノスケールMnSbドット、Auドットの磁気・電子構造の解明と応用可能性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 13554012
研究機関東京大学

研究代表者

小野 寛太  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70282572)

キーワードナノスケール磁性ドット / スピントロニクス材料 / 放射光解析
研究概要

平成13年度は主にナノスケールMnSbドットの磁気・電子構造の解明に主眼をおいた研究を行うとともに、さらに面白い物性が期待されるナノスケール閃亜鉛鉱型MnAsドットについて作製に初めて成功し、物性測定を行った。ナノスケールMnSbドットの研究においては国内外の放射光施設を利用し、光電子分光、X線吸収分光、磁気円二色性の測定を行った。その結果、MnSbドットはナノスケールにすることによりバルクとは異なる電子状態を示すことが分かった。異なる電子状態を示す原因としては、ナノスケールにすることによりMn 3d電子間の電子相関が強くなり、局在化するためと考えている。さらに、このようなナノスケールの磁性体の磁気構造を直接観察する手法があまり無いため、放射光光電子顕微鏡を用いた磁気構造観察の検討を行った。その結果、サブミクロン程度のパターニングされた磁気構造においては明瞭な磁気コントラストが得られたが、現状の空間分解能では直径20-30ナノメートルであるナノスケールMnSbドットの観察は難しいことが分かった。今後はさらなる高分解能化を目指して装置の開発を進める予定である。ナノスケール閃亜鉛鉱型MnAsドットについてはGaAs基板を硫黄で終端化することにより初めて作製することに成功した。作製法に関しては特許出願中である。ナノスケールMnAsドットについてSEM, TEM, AFMなどにより、構造解析を行ったところ構造がMnSbとは異なり閃亜鉛鉱型であることが分かった。また、電子状態は理論計算から予想されるものとは異なっていた。来年度はナノスケール閃亜鉛鉱型MnAsドットについてもさらに研究を進めるとともに、応用可能性の検討も行っていく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Ono, et al.: "Ga segregation in MnSb epitaxial growth on GaAs(001) and (111) B substrates"Physical Review B. 64. 085328-1-8 (2001)

  • [文献書誌] K.Ono, et al.: "Automated angle-scanning photoemission end-station with molecular beam epitaxy at KEK-PF BL-1C"Nucl. Inst. Meth. A. 467-468. 1497-1501 (2001)

  • [文献書誌] M.Mizuguchi, et al.: "Magnetic properties of MnSb granular thin films"J. Magn. Magn. Mat.. 226-260. 866-867 (2001)

  • [文献書誌] J.Okabayashi, et al.: "Band discontinuity in the GaAs/AlAs interface studied by in situ photoemission spectroscopy"Applied Physics Letters. 80. 1764-1766 (2002)

  • [文献書誌] K.Ono, et al.: "Fabrication, magnetic properties, and electronic structures of nanoscale zinc-blende MnAs dots"Journal of Applied Physics. 91(出版予定). (2002)

  • [文献書誌] K.Ono, et al.: "Organometallic synthesis and magnetic properties of ferromagnetic Sm-Co nanoclusters"Journal of Applied Physics. 91(出版予定). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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