研究課題/領域番号 |
13554022
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
林 昌彦 神戸大学, 理学部, 教授 (60192704)
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研究分担者 |
松下 明生 宇部興産(株), 有機合成第2研究部, 主席研究員
原田 勝正 宇部興産(株), 有機合成第2研究部, 部長
山崎 鈴子 山口大学, 理学部, 助教授 (80202240)
親 潤一 宇部興産(株), 有機合成第2研究部, 研究員
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キーワード | パラジウム触媒 / 酸化的芳香族化 / ヘテロ環 / 環境適応型反応 |
研究概要 |
芳香族ヘテロ環骨格であるピラゾールおよびピリジン骨格を構築する手段としては、容易に合成可能なジヒドロ体であるピラゾリンとジヒドロピリジンを酸化する方法が有効である。現在のところ、これらの変換反応には、化学量論量あるいは過剰量の二酸化マンガンやDDQなどが酸化剤として用いられている。しかしこれらの酸化剤を用いる方法では生じた重金属塩の廃棄物処理問題を始めとする多くの課題が残る。最近、私たちは、アセトニトリルあるいはエタノール中、触媒量のパラジウム/チャーコル(Pd/C)を作用させることにより、アリルおよびベンジルアルコールが対応するカルボニル化合物へと変換されることを見い出した。そこで、このパラジウム触媒を用いる方法をピラゾリンとジヒドロピリジンの酸化的芳香族化反応に適用した。 ピラゾリンからピラゾールへの芳香族化において、触媒量のPd/C存在下、溶媒に酢酸を用いると反応性が飛躍的に向上し、様々な置換基を有するピラゾリンが対応するピラゾールへと効率よく変換されることを見い出した(Org. Lett.,3955(2002))さらにこれらのピラゾリンは、酸化剤であるPd/Cを一切用いなくとも、酢酸中加熱するのみで、対応するピラゾールへと変換されることがわかった。本反応では酸素が必須である。 Pd/C-酢酸系はジヒドロピリジンからピリジンへの変換においても良好な結果を与えた。この反応の原料であるジヒドロピリジンは、アルデヒド、アンモニア、β-ケトエステルから簡便に合成できる。従来は、硝酸あるいはDDQを用いてピリジンに酸化していたが、本法により環境調和型の酸化が実現できた。
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