研究課題/領域番号 |
13554024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩谷 光彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60187333)
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研究分担者 |
浅尾 哲次 大鵬薬品工業(株), 化学研究所, 所長(研究職)
田中 健太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40281589)
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キーワード | DNA / 金属錯体 / 核酸塩基 / 遺伝子 / ヌクレオシド / オリゴヌクレオチド / ピリジン |
研究概要 |
本研究は、天然DNAの塩基対形成のドライビングフォースである水素結合を、金属配位結合に置き換えた人工DNAを創製し、遺伝子発現制御や機能性分子構築に展開することを目的とした。本年度は、ピリジンを核酸塩基としてもつ人工ヌクレオシドを数工程で合成し、それらが銀(I)イオンにより塩基対を形成することをNMRや吸収スペクトル法により確認した。これらの塩基対をオリゴヌクレオチドに導入すべくホスホロアミダイト体に誘導し、DNA自動合成機により天然DNAオリゴマーの中央部に一つないし二つ導入することに成功した。それらの構造はMALDI-TOF型質量分析により確認した。紫外可視吸光度法による融解実験により、銀(I)イオンの存在下では、融点が上昇し、二重鎖が熱力学的に安定化されることが明らかとなった。一次元および二次元のNMRにより、オリゴマー中のピリジン型塩基対の形成が確認された。また、銀(I)イオン誘起型塩基対は、T-A-T型の三重鎖の安定性も増強させた。オリゴDNA中の隣接する二つの銀(I)錯体の形成を検討するために、トリエステル法によりピリジン型ジヌクレオチドを合成し、銀(I)二核錯体の生成をNMRおよびESI-TOF型質量分析により確認した。今後、さらに多くのピリジン型ヌクレオチドを天然型DNAオリゴマーに導入し、金属のナノ集積化に向けて研究を進める予定である。
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