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2002 年度 実績報告書

DNA逆位反応を利用した不揮発性メモリー素子によるバイオセンサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 13554033
研究機関岡山大学

研究代表者

沓掛 和弘  岡山大学, 理学部, 教授 (90143362)

研究分担者 原山 重明  (株)海洋バイオテクノロジー研究所, 釜石研究所, 所長
大西 浩平  高知大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50211800)
冨永 晃  岡山大学, 理学部, 助手 (60155570)
キーワード逆位DNA / メモリー素子 / バイオセンサー / 鞭毛相変異 / Hセグメント / 複相型大腸菌 / レポーター遺伝子
研究概要

1.ラクトースセンサーとアラビノースセンサーの有効性試験
昨年度の研究で、サルモネラHセグメントを逆位DNAとして用いたモデルセンサーとして、ラクトースセンサーとアラビノースセンサーを構築した。今年度はこれらのセンサーの感度や物質濃度とアウトプットの直線関係などを詳しく検討した。その結果、いずれの場合も検出感度が非常に高く、そのためにバックグラウンドのレベルがすでにかなり高いことが判明した。その原因は、用いている逆位DNAが非常に微量のDNA逆位酵素が存在するだけで逆位をおこすためであると推定された。
2.新たな逆位DNAシステムの検索
上で明らかになったバックグラウンドの問題を解決するために、逆位能のあまり高くなく、人為的な制御が容易な逆位DNAシステムを検索することにした。通常の大腸菌は鞭毛相変異を行わず、Hセグメントをもたないが、まれにフラジェリン遺伝子を2つもち、相変異をおこしうる株が存在している。これらの大腸菌株の相変異頻度はサルモネラのそれよりも非常に低く、これらのHセグメントが利用できればバックグラウンドの低いセンサーを構築できる可能性がある。そこで、そのような大腸菌株より、Hセグメントを含むと考えられるflkA, fllA, flmA遺伝子をクローン化し、その周辺領域の塩基配列を解析した。その結果、flkAとflmAについては、サルモネラの相変異システムと非常に類似した様式をとっていることが判明したが、DNA逆位酵素の遺伝子を欠くとともに、逆位DNA自身にも欠陥があり、逆位不能となっていることが判明した。
3.レポーター遺伝子について
これまでの方法ではレポーター遺伝子としてフラジェリン遺伝子を用いているので、メモリー素子の状態は検定菌の運動性の有無で検出してきた。この検出系は感度が非常に高いが、このことも系の取扱いを難しくする原因となることが判明した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tomoyasu, T.: "The ClpXP ATP-dependent protease regulates flagellum synthesis in Salmonella enterica serovar Typhimurium"Journal of Bacteriology. 184. 645-663 (2002)

  • [文献書誌] Furukawa, Y.: "Interactions between bacterial flagellar axial proteins in their monomeric state in solution"Journal of Molecular Biology. 318. 889-900 (2002)

  • [文献書誌] Kaneda, Y.: "Purification, molecular cloning, and characterization of pyridoxine 4-oxidase from Microbacterium luteolum"Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 66. 1022-1031 (2002)

  • [文献書誌] Teramoto, M.: "An AraC/XylS family member at a high level in a hierarchy of regulators for phenol-metabolizing enzymes in Comamonas testosteroni R5"Journal of Bacteriology. 184. 3941-3946 (2002)

  • [文献書誌] Umemura, T.: "Sensing of cytoplasmic pH by bacterial chemoreceptors involves the linker region that connects the membrane-spanning and the signal-modulating helices"Journal of Biological Chemistry. 277. 1593-1598 (2002)

  • [文献書誌] Okuta, A.: "Intersubunit interaction and catalytic activity of catechol 2,3-dioxygenases"Biochemical Journal. (印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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