研究概要 |
本研究では,高調波発生の方法を用いずに時間信号である超短パルス光の時間と周波数の関係を直接的に求め、時間-周波数変換の一つであるウェーブレット変換によるマルチリゾリューショナル解析を行う方法を実現することを目的とする。本年度は、提案する光スカログラム計測の原理に基づいた実証実験、得られたスカログラムの解析手法の検討を行った。本年度の研究により得られた成果・知見は以下の通りである。 1.一般に、超高速時間分解分光計測では繰り返し計測が基本とされているため、リアルタイム計測は困難である。しかし、提案する光スカログラム計測の原理ではシングルショット計測が可能である。この特長を活かし、得られたスカログラムをリアルタイムに解析・表示するために超高速画像処理ボードを用いて実証実験を行い、計測システムによる撮像デバイスの撮像時間性能にのみ依存したリアルタイム計測が可能であることを確認した。 2.計測システムを用いて得られた光スカログラムから信号の振幅と位相を解析する解析手法の検討を行った。検討の結果、空間的な干渉縞の特長を活かすことにより、反復計算による最適化アルゴリズムを用いない方法を考案した。
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