研究課題/領域番号 |
13555019
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物理学一般
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永富 隆清 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90314369)
|
研究分担者 |
大堀 謙一 堀場製作所株式会社, 科学計測開発部, 部長(研究職)
木村 吉秀 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70221215)
高井 義造 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30236179)
OBORI Ken-ich Horiba Ltd Director (Researcher)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | ナノ薄膜 / 高輝度X線源 / 波長可変X線源 / 回転対陰極式X線源 / MCシミュレーション |
研究概要 |
近年、汎用のX線源の性能では限界にきており、新しい高輝度波長可変なX線源の開発が必要となっている。理想的なX線源として放射光施設が挙げられるものの、マシーンタイムなど多くの面で我々の研究室レベルでの実験には適しておらず、汎用性の高い小型超高輝度波長可変X線源の開発が強く望まれている。そこで本申請課題では、回転対陰極式X線源に対し、これまで実験の困難さ・時間的問題などから経験的に決定されてきたX線源の基本構造(励起電子線の入射角・X線取り出し角・陽極薄膜材料・陽極薄膜の膜厚など)の、電子線励起X線スペクトル計算のモンテカルロ(MC)シミュレーションを用いた最適化による「ナノ薄膜回転対陰極式超高輝度波長可変X線源の開発」を目指した研究を行った。その結果、1.電子線励起X線スペクトルの絶対強度を高精度で再現できるMCコードの開発 2.開発したMCコードを用いたW/Cu陽極構造の最適化 に成功し、開発したMCコードがX線源基本構造の最適化に有効であること、最適化により既存のX線源の強力化が可能であることを確認した。また、開発したMCコードは、X線源構造の最適化のみならず、近年重要となってきた低速電子を用いた極薄領域のX線マイクロアナライザーによる定量分析への応用も可能であることを確認した。 さらに、本申請課題でのMCコード開発技術を、3.化学気相合成走査型電子顕微鏡の設計 4.実効エネルギー損失関数の導出とデータベース構築 へ応用した。3では、従来は、得られた実験結果の解析に重点がおかれるMCシミュレーションが、新しい測定装置の設計指針を決定する上で非常に有効であることを示した。また4では、オージェ電子やX線光電子を用いた表面電子分光法による表面分析において得られるスペクトルを定量的に理解するために不可欠な、実効エネルギー損失関数のデータベース構築を試みた。
|