研究課題/領域番号 |
13555026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北村 隆行 京都大学, 工学研究科, 教授 (20169882)
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研究分担者 |
中村 友二 富士通研究所, Cプロジェクト部, 部長
梅野 宜崇 京都大学, 工学研究科, 講師 (40314231)
加藤 博之 北海道大学, 工学部, 助教授 (80224533)
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キーワード | LSI配線 / 薄膜 / 微小材料 / 界面 / 端部 / 剥離 / 強度 / 亀裂 |
研究概要 |
先進大規模集積回路(LSI)の配線には、電気抵抗の低減と原子マイグレーションによる破断防止するために銅が用いられている。この場合、基板への銅原子の拡散を防ぐために銅と基板の間にバリヤー層が配置されている。銅配線を形成するための銅薄膜とバリヤー層は密着性が良くないため、端部から剥離が発生することがある。界面端部にはフリーエッジ効果によって応力が集中しており、剥離はこれによって生ずるが、適切な端部剥離評価法がなかった。本研究では、破壊力学の概念を援用して、界面端部の亀裂発生試験法を開発するとともに、それを用いて薄膜界面端部の強度を評価した。剛性の高いはりによって薄膜の変形を強く拘束し、不要薄膜部分を切除することによって、薄膜の塑性変形や破壊が界面強度評価に影響を及ぼすことを防止するように工夫した試験片とビッカース硬さ試験装置を改良した微小荷重負荷試験装置によって界面端部からの剥離試験を行い、境界要素法解析や分子動力学解析によってそれを支配する力学量(フリーエッジ効果による応力拡大係数)を評価できることを示した。また、この方法によってシリコン基板上に形成したバリヤー膜(TiN)と銅薄膜の界面端からの亀裂発生強度を評価した。さらに、膜作成時に導入された内部応力を測定し、界面端剥離機械的強度の膜厚依存性に及ぼす影響について検討した。その結果、内部応力と外部機械的負荷の重ね合わせによる端部応力が、亀裂発生の真の駆動力であることを見出した.
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