研究概要 |
本研究ではCMC複合材料の異種界面の静的および繰り返しせん断強度が評価できる新しい強度評価装置を開発した。本体はブラシレスDCサーボモータにより駆動されるアクチュエータを備え,窒化けい素中に埋め込まれた直径10μmの炭化けい素繊維の静負荷および繰り返し押出し試験ができるよう工夫されている。試料の位置決めには従来のマイクロヴィッカース硬度計に採用されている光学系機構を採用した。すなわち,X-Yステージを有する試料台に固定した試料の表面上,炭化けい素繊維端の位置を光学顕微鏡により定め,これに閉ループ制御されたブラシレスDCサーボモータにより駆動される圧子を押し付ける構造とした。このときアクチュエータの軸方向変位を光学式リニアエンコーダによりO.1μmの精度で,また,荷重をひずみゲージ式精密ロードセルにより1mNの精度で検出できる。この装置の開発はインストロンジャパン カンパニーリミテッドと宇部工業高等専門学校 幡中,小川との連携の下に行われた。これにより室温におけるCMC材中の径10μmのセラミックス短繊維に関する静的および繰返しせん断強度試験が可能となった。[マトリックス/強化繊維]界面強度の評価手法を検討するための第1段階として,プラスチック樹脂に直径100μmのボロン繊維を埋め込んだ試料を用いて[プラスチック/ボロン繊維]間の繊維押出しおよび引き抜き荷重-変位試験を実施した。この結果,良好な荷重-変位特性を得ることができた。
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