研究概要 |
半導体素子,液晶表示体をはじめとして,多くの電子機器の配線にはフォトリソグラフィーが用いられている.この方法では,配線基板全体に配線材料を成膜した後,フォトレジストによるマスキングを利用して不要部分のエッチングを行なう.集積度の高い素子の作製法として無くてはならない手法である.しかし,集積度がそれほど大きくない場合には成膜された大部分を溶出除去しなければならず,無駄が多い欠点も併せ持つ. 電子デバイスの製作過程では,ウエハ上に製作された多数のチップは分割され,パッケージされて製品となる.とりわけ光学デバイスでは,光学窓を組み込む等の工程が必要である.したがって,所望の箇所を接合したり,配線したりすることができれば,新しい素子の作製方法として適用される可能性も大きい. ところで,代表者は1995年よりレーザ加工を研究の1つの柱としてきた.この研究の中で,金属粉末を載せたガラスに下方よりレーザ照射することで,ガラスを透過したレーザ光を金属粉末・ガラス界面で吸収させことでガラス表面上に金属配線を行う手法を開発した. 本研究では,これまでのガラス表面上への金属配線を行う研究の基礎データを参考に,電子デバイスのパッケージングに適用できる,さらに微細な金属配線を実現する手法,条件を明らかにすることを目的の1つとしている.この結果ソーダガラス・石英ガラスに銅を堆積できることがわかり,マスクを使うことなく,電気回路を描画出来ることがわかった.
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